湯河原町では古くから、「高級温泉地」として知られ、また、隠れた「美食」のまちでもあり、グルメを扱う情報番組のロケも多く行われています。しかし、観光消費の波及効果がいきわたっていないことが課題に挙げられております。そこで、湯河原町では、このような課題の解決に向け「ロケツーリズム」×「美食」とし、食の魅力向上と観光消費の増進への取り組みを開始しました。そして「湯河原ならではの特産品を使用する」というルールのもとロケ弁開発を行うこととなりました。
【参加したロケ弁業者】
①青木精肉店
②アメリカンクラブハウス湯河原
③京家
④珈琲・軽食 岩本屋
⑤だんだんGOHAN
⑥結箱
⑦LUNCHBOX・DOMINGO
⑧話食処 ほまれ
【参加された有識者の方々】
・元株式会社ホリプロ取締役、現株式会社ステラキャスティング
代表取締役社長 朝長 泰司 氏
・吉本興業(株)エリア本部 本部長 覚野 公一 氏
・杉咲花・岩田剛典主演映画『パーフェクトワールド』柴山 健次 監督
・朝ドラ常連女優&映画監督 辻 凪子 氏
・株式会社ホリプロ チーフプロデューサー 宮川 宗生 氏
・ロケなび!ロケ弁アドバイザー 田島 潤 氏
・一般社団法人ロケツーリズム協議会会長、
株式会社地域活性プランニング代表取締役社長 藤崎 慎一 氏
【挨拶・来賓/有識者/参加店舗紹介】 (14:00~14:20)
湯河原町長を始め、湯河原町議会の方々、観光協会、旅行協同組合、商工会、観光アドバイザーなど計9名の来賓者にお越しいただきました。また、テレビや映画を中心とした番組制作に携わり、全国各地の「ロケ弁」を食べてきた有識者7名にもお越しいただきました。
そして、「ロケ弁」開発にご参画いただきました事業者様8団体をお招きし、「ロケ弁試食会」が開催されました。ロケ弁に熱い想いをよせる事業者方は、自らのロケ弁の特徴や思いなどをPRされていました。
その他にも、各マスコミ関係の方々や、他地域から勉強のために訪れた方々など、各方面かの方々計70名程が集まり、賑わいのある会となりました。
写真:集合写真
【参加店舗によるロケ弁のプレゼン・試食会・報告】(14:30~15:30)
有識者の皆様に「味、見た目、バランス、地域性」という4つの観点を5段階の評価を頂き、様々な意見を頂きました。
<感想抜粋>
①青木精肉店:チキンソテー弁当
田島「精肉店だけあり肉のうまさは安定感あり」
辻「いわれてみないとわからないみかんの存在、甘さがあってうますぎる!」
柴山「野菜がもっとほしい」
②アメリカンクラブハウス湯河原:湯河原づくし
藤崎「バランスが良い。湯河原産のレモンを使用しているのもよい」
朝長「かなりボリュームがあり若いスタッフには好まれる」
柴山「優しい味の箸休めがあれば、中年も食べやすい」
③京家:上鰻重弁当
藤崎「やわらかく、味よし。老舗店舗の強み」
辻「これを食べたら、何があってもどんなに過酷な撮影でも頑張れます」
柴山「特別な日という感じなので、通常の日のバージョンがあれば」
④珈琲・軽食 岩本屋:海の幸弁当
田島「地元食材を使用していてPRしやすい」
覚野「すごくおいしい!しらすご飯がすすむ。おかずのボリュームがかなり多くて良い」
朝長「とてもバランスが良いと思うが値段が1000円くらいであれば」
⑤だんだんGOHAN:おいしいお弁当
藤崎「魚、てんぷら、野菜と、彩りがよし」
田島「一般的にがっつり系が多い中、重くなく栄養もとれるお弁当は最高!」
朝長「さっぱりした弁当で女性、高齢者に好まれると思う」
⑥結箱:アジフライ弁当
藤崎「アジフライが冷めてもおいしい」
辻「豪華な見た目にテンションが上がる。今まで食べたアジフライで一番おいしかった」
朝長「ソースタルタルだけでなく、みかんを使ったソースなど新しいものがあればと思った」
⑦LUNCHBOX・DOMINGO:特性幕の内弁当
田島「冷めても肉が柔らかくてよい。このボリュームでこの価格は撮影現場にとって非常にうれしい」
辻「焼肉はスタッフさんが喜ぶ。疲れが一機にふっとぶ感じ。これで撮影も頑張れる」
朝長「野菜が少な目なのでキャベツ大盛りができるとかあると嬉しい」
⑧話食処 ほまれ:素材にこだわった魚屋のお弁当
辻「普段食べられない品があって香もよい。忘れられない味」
覚野「かますの中にすり身と卵など、独創的なアイデアが良い」
田島「ロケ弁は肉、魚の2バージョンで注文するパターンが多いため、もし肉系ができるようであればニーズが高まると思う」
その中の朝長氏から「ロケは地方で行うので、みんなその土地ならではのものを味わいたいと思っている。(おかずに)特産品のソースなどが使われたら喜ばれると思う。」との声を頂きました。
このような会を開催し外からの視点が加わることで、身内だけでは気づくことのできない魅力の発見ができ、事業者にとっても、その他関係者にとっても大きな刺激になったと思います。
写真:試食会の様子
写真:会場全体の様子
【まとめ・今後に向けて】(15:30~16:00)
近年ロケ弁は、2次的波及が見込めるコンテンツとなっております。芸能人が自身のSNSで発信し、ファンを中心に拡散され、提供店舗に問い合わせが殺到するなど、多数の成果が生まれています。
“聖地巡礼”だけではなく「食」を楽しむ「ロケ弁」にも今後注目が集まるのではないのかと感じています。
また、観光庁の「地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出事業」の支援を受け、地域活性プランニングが企画・監修プロデュース・運営役を担いすすめられた本事業。12月末を目途に今回ご参加いただいた8事業者のお弁当有識者の皆様のコメントをまとめた、ロケ弁の販売先を紹介する「ロケ弁BOOK」を発行し、各事業者の店舗や町役場で配布していく予定であります。また、本会の様子については各種メディアにて紹介されるほか、1月には『ロケーションジャパン』でも掲載される予定です。
【最後に】
「ロケ弁」とは撮影に欠かせず、“ロケ弁なくして、ロケはなし”と言われるほどです。忙しい合間を縫って食べるロケ弁は、その土地の食を楽しむ時間であり、幸せな時間であると聞いています。
このように、「エンタメ」×「食」にはとても可能性を感じています。また、どこへでも繋がる取り組みでもあります。
ロケ地に訪れ、登場人物の気持ちになるのと同じように、演者さんと同じものを食べる喜びも同じくらい需要があるように感じます。
土地を知って、食を知って、その地に対しての“色”を深めてもらうために「エンタメ」の力は計り知れない可能性に満ちているように改めて体感しました。
興味があっても事業に踏み込めない地域、事業者に向けた手助けになるような取り組みとなれば良いなと思います。
このような会が実施したことで、制作者目線でロケ弁に求めることを示すことができると思います。地方に行けば行くほど、そのような情報が不透明となっていくからこそ、「事業者」と「まち」で力を合わせ、「ロケ地」「ロケ弁」などのエンタメから広がる地域づくりに繋がっていくと信じています。
このページに関する問い合わせ先
TEL :03-5157-0567
※「ロケなび!」とは http://locanavi.com/about/※「ロケツーリズム」とは https://locatourism.com/about/