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ホーム > 映像関係者の声 > プロデューサーインタビュー > “経験のある人から学ぶ事”がエンターテインメント/ 日本テレビ系『ザ!鉄腕!!DASH!!』の島田総一郎統轄プロデューサーに長寿の秘訣を「ロケ」から切り込む

“経験のある人から学ぶ事”がエンターテインメント/ 日本テレビ系『ザ!鉄腕!!DASH!!』の島田総一郎統轄プロデューサーに長寿の秘訣を「ロケ」から切り込む

2020.10.01
プロデューサー
島田総一郎さん
日本テレビ系で絶賛放送中、人気長寿バラエティー番組『ザ!鉄腕!DASH!!』に注目。 島田統轄Pに「企画が生まれた経緯」「撮影時のこだわり」「撮影中の雰囲気」等を語って頂きました。
どのような経緯で作品・企画が生まれるのでしょうか? ※その中で、視聴者に伝えたい事などもお伺いできればと思います。

 『ボンビーガール』はじめ多くのバラエティーはディレクターや構成作家が会議を行い、そこで企画を産み出しているのですが、『ザ!鉄腕!DASH!!』は少々異なっています。DASHではTOKIOとスタッフがロケの移動中や無人島の休憩時間などに「やりたい事」「最近気になる事」「見に行きたい場所」などを会話ベースで話し、それが企画として実現することが多いです。特に農業や漁など季節ネタは常に話していますね。会話ベースで話した内容がいくつか候補になって、具体的な番組企画へ進んで行くので、1年以上先の企画もザックリと考えています。この番組を通して視聴者の皆さんに何かを訴えかけようとしているというよりは、TOKIOと仲間たちが本気で楽しみながらロケを行っている様子を見て「面白いな、自分もやってみたいな」と感じてもらえたら、と思っています。

これだけは気を付けている点など、撮影時のこだわりはありますか?

 何かを作る時、”失敗すら楽しむ”ようにしています。番組を作る上で、「成功した映像を撮る」という事を大前提にしてしまうと、出演者もスタッフも「絶対に失敗できない」という思考に陥り、必要以上にプレッシャーを感じながらロケをすることになります。プレッシャーが行き過ぎると、過剰な演出やウソが発生すると思うんですよ。だから『ザ!鉄腕!DASH!!』では「全力で取り組んだ結果なら、失敗もオッケー」を合い言葉に、上手くいかなかった場合も隠さず、失敗すら面白く感じて頂けるように制作しています。

ロケ地・ネタの探し方について、出張DASH村を例になど基準などお伺いできればと思います。

 ネタを探す時は、TOKIOとスタッフの“個人的な夢”をきっかけに企画が産まれれば良いなと考えているので、ロケ中やそれ以外でもしょっちゅう皆で会話してます。

「出張DASH村」の場合、季節の旬なものについて話し合ってから、具体的にスタッフがロケ地やネタを調べます。採用する基準は、身近なモノ、つまり誰もが近所のスーパーで買える食材です。せっかくTVで取り上げても、翌日に買うことができなければ、腹立ちますからね。(僕は実際そうなので)視聴者の皆さんがストレスを感じないよう、身近なモノを紹介するよう徹底しています。

次に「撮りたい、行きたいロケ地、または題材となるネタ」は決めていますか?

 ここだけは、と言うならば、それは福島での米作りです。実は福島のDASH村以来ずっと続けてきた米作りが今年で20周年だったんです。しかし、新型コロナウイルス感染症の問題もあり、今年は福島へ行かず、東京都世田谷区にある都立園芸高校の一角をお借りして稲を育てています。今まで福島の気候にあわせて米作りをしてきたTOKIOと僕らスタッフにとって、高温が続く東京での米作りは本当に難しくて、悪戦苦闘の連続です。でも何とか収穫まで立派に育てて、来年こそは福島に戻って米作りをやりたいですね。

撮影中の雰囲気などもお伺いできればと思います。

 たとえるなら中学校、高校の部活のような雰囲気です。城島リーダーが顧問または部長で、彼を中心に太一さん、松岡さん、長瀬さん、スタッフが各々のポジション、各々の役割を理解しています。だから和気藹々とした雰囲気がありつつ、チームとしての信頼関係で結ばれているような感じです。実際、皆お互いを良く見ていて、TOKIOが先週の放送内容について感想や意見を伝えてきたり、逆にスタッフがロケ中「リーダー、それってこうなんじゃないんですか?」等、提案することも多々あります。それも互いの仕事をリスペクトしているからこそだと思います。

素敵な地方の協力者や、専門的な学者の方も魅力的な番組ですが、特に思い入れ深いエピソードはありますか?

 僕らは、“経験のある人から学ぶ事”がエンターテインメントに繋がると考えているので、専門家の皆さんは本当に大切な存在です。特に福島のDASH村でお世話になった三瓶明雄さんはTOKIOとスタッフとって“農業の師匠”とも言える存在で、10年以上にわたってあらゆる事を伝授してくれました。明雄さんたちはDASH村のある福島県浪江町を戦後から開拓して農地を作り、数々の作物を育て上げてきました。そんな叩き上げの農家さんが持つ知識と経験は本当に貴重で、もはやTVの企画を超え、人間としての生き方までも教えて頂いたような気がします。それ以外にもDASH島、DASH海岸、新宿DASHなどあらゆるコーナーで専門家の方に加わって頂いてます。何かに特化した専門家の方の知識を得て、学んでいくことで番組そのものも成長できればと考えています。

ロケ中、スタッフの皆さんやTOKIOの皆さんが苦労したこと、大変だったことなどありますか?

 緊急事態宣言の期間中、TOKIOとスタッフがそれぞれの家のベランダで、田植えのための苗作りを行っていたんですが、同じ日に同じタイミングで種をまいたのに、ふたを開けてみれば成長度合いがバラバラになってしまったんです。というのも、東京の水道水の水温は住んでいる区や、マンション、一戸建てなどの環境によって全て異なるので、水温がバラバラで成長に違いが出てきてしまったんです。その上、今年は梅雨が長かったので、日照時間が短く苗が太くならない事も重なり…。生活環境と東京の気候がダブルの問題になっていますね。

 

印象深い放送BEST3(回数・場所)について伺わせてください。

 思い入れのある回は、「DASH村3・11特別編」です。東日本大震災から1年後に2時間の特番を福島から生放送しました。1年が経過したDASH村の現況、経過報告、そして未来に向けての挑戦を僕らなりに描いたつもりです。初めて、お世話になった福島と福島の皆さんの為に何かを届けたい、と思って番組をつくりました。今でも個人的に印象深い放送です。その他は、「阪神電車との17年ぶりリレー対決」と「古代ザメ・ラブカを生きたまま捕獲した回」です。阪急電車との戦いは、オリンピック選手に最新のバトンパスの技術を教えていただき、走力じゃなく技術で勝てたのが印象深いです。「古代ザメ・ラブカ」に関しては、恐竜やシーラカンスよりも古く現存する最古の魚類を、まさかロケ中に生きたまま捕獲できてしまって(笑) その後、報道局からニュース番組で取り扱いたいと連絡があり、思っていた以上に大騒ぎになりました。

withコロナ・afterコロナでの撮影について、今後どういう取組を行うか構想などありますか?

 まず、体制面で言うと、少人数でロケを行う方向へ変わるかと思います。DASH島は出演者とカメラを持ったディレクターと少人数で行ってますが、今後は他のコーナーも「小規模」「機動力」が求められます。街ブラなどの撮影は難しくなってくるかもしれませんね。今の生活様式にあった新しい企画を提案していくことが必要となっていくと思います。”不自由の中で自由を探す”という、発想が大切かもしれません。地上波の色んな番組が、視聴者の皆さんに新しい遊び方・過ごし方を提案することで、少しでもお役に立てればと思います。

映像制作者を目指す方々へ向けてひと言お願いします。

 何事も”本気で楽しむ“という姿勢で取り組めば、結果はそれほど裏切らないと思っています。なので、仕事をやる上で”まず自ら楽しむ“って事を大切にしてもらえればと思います。ただし…”楽しむ“というマインドを維持するのは、相当な根気と努力が必要で、正直まぁまぁ疲れます。そこは覚悟してください(笑)映像を作る上で、今の時代は「大手メディアじゃなくてはダメ」という訳ではなく、手軽に色々な手段を選べる、作り手にとって恵まれた時代だと思います。僕の友人達も、個人的にYouTubeや色んなプラットフォームで映像を制作して楽しんでいますし、それが仕事にも繋がっています。プロの映像制作者じゃなくても今は学生の時から、コンテンツを自由に作れる時代です。だからYouTubeでもどこでも好きな場所で色々なコンテンツを楽しみながら作って欲しいですね。きっと、思わぬ形でそれが仕事に繋がっていくと思いますよ。

 

――ありがとうございました!

日本テレビ系で絶賛放送中、人気長寿バラエティー番組『ザ!鉄腕!DASH!!』に注目。 島田統轄Pに「企画が生まれた経緯」「撮影時のこだわり」「撮影中の雰囲気」等を語って頂きました。
どのような経緯で作品・企画が生まれるのでしょうか? ※その中で、視聴者に伝えたい事などもお伺いできればと思います。

 『ボンビーガール』はじめ多くのバラエティーはディレクターや構成作家が会議を行い、そこで企画を産み出しているのですが、『ザ!鉄腕!DASH!!』は少々異なっています。DASHではTOKIOとスタッフがロケの移動中や無人島の休憩時間などに「やりたい事」「最近気になる事」「見に行きたい場所」などを会話ベースで話し、それが企画として実現することが多いです。特に農業や漁など季節ネタは常に話していますね。会話ベースで話した内容がいくつか候補になって、具体的な番組企画へ進んで行くので、1年以上先の企画もザックリと考えています。この番組を通して視聴者の皆さんに何かを訴えかけようとしているというよりは、TOKIOと仲間たちが本気で楽しみながらロケを行っている様子を見て「面白いな、自分もやってみたいな」と感じてもらえたら、と思っています。

これだけは気を付けている点など、撮影時のこだわりはありますか?

 何かを作る時、”失敗すら楽しむ”ようにしています。番組を作る上で、「成功した映像を撮る」という事を大前提にしてしまうと、出演者もスタッフも「絶対に失敗できない」という思考に陥り、必要以上にプレッシャーを感じながらロケをすることになります。プレッシャーが行き過ぎると、過剰な演出やウソが発生すると思うんですよ。だから『ザ!鉄腕!DASH!!』では「全力で取り組んだ結果なら、失敗もオッケー」を合い言葉に、上手くいかなかった場合も隠さず、失敗すら面白く感じて頂けるように制作しています。

ロケ地・ネタの探し方について、出張DASH村を例になど基準などお伺いできればと思います。

 ネタを探す時は、TOKIOとスタッフの“個人的な夢”をきっかけに企画が産まれれば良いなと考えているので、ロケ中やそれ以外でもしょっちゅう皆で会話してます。

「出張DASH村」の場合、季節の旬なものについて話し合ってから、具体的にスタッフがロケ地やネタを調べます。採用する基準は、身近なモノ、つまり誰もが近所のスーパーで買える食材です。せっかくTVで取り上げても、翌日に買うことができなければ、腹立ちますからね。(僕は実際そうなので)視聴者の皆さんがストレスを感じないよう、身近なモノを紹介するよう徹底しています。

次に「撮りたい、行きたいロケ地、または題材となるネタ」は決めていますか?

 ここだけは、と言うならば、それは福島での米作りです。実は福島のDASH村以来ずっと続けてきた米作りが今年で20周年だったんです。しかし、新型コロナウイルス感染症の問題もあり、今年は福島へ行かず、東京都世田谷区にある都立園芸高校の一角をお借りして稲を育てています。今まで福島の気候にあわせて米作りをしてきたTOKIOと僕らスタッフにとって、高温が続く東京での米作りは本当に難しくて、悪戦苦闘の連続です。でも何とか収穫まで立派に育てて、来年こそは福島に戻って米作りをやりたいですね。

撮影中の雰囲気などもお伺いできればと思います。

 たとえるなら中学校、高校の部活のような雰囲気です。城島リーダーが顧問または部長で、彼を中心に太一さん、松岡さん、長瀬さん、スタッフが各々のポジション、各々の役割を理解しています。だから和気藹々とした雰囲気がありつつ、チームとしての信頼関係で結ばれているような感じです。実際、皆お互いを良く見ていて、TOKIOが先週の放送内容について感想や意見を伝えてきたり、逆にスタッフがロケ中「リーダー、それってこうなんじゃないんですか?」等、提案することも多々あります。それも互いの仕事をリスペクトしているからこそだと思います。

素敵な地方の協力者や、専門的な学者の方も魅力的な番組ですが、特に思い入れ深いエピソードはありますか?

 僕らは、“経験のある人から学ぶ事”がエンターテインメントに繋がると考えているので、専門家の皆さんは本当に大切な存在です。特に福島のDASH村でお世話になった三瓶明雄さんはTOKIOとスタッフとって“農業の師匠”とも言える存在で、10年以上にわたってあらゆる事を伝授してくれました。明雄さんたちはDASH村のある福島県浪江町を戦後から開拓して農地を作り、数々の作物を育て上げてきました。そんな叩き上げの農家さんが持つ知識と経験は本当に貴重で、もはやTVの企画を超え、人間としての生き方までも教えて頂いたような気がします。それ以外にもDASH島、DASH海岸、新宿DASHなどあらゆるコーナーで専門家の方に加わって頂いてます。何かに特化した専門家の方の知識を得て、学んでいくことで番組そのものも成長できればと考えています。

ロケ中、スタッフの皆さんやTOKIOの皆さんが苦労したこと、大変だったことなどありますか?

 緊急事態宣言の期間中、TOKIOとスタッフがそれぞれの家のベランダで、田植えのための苗作りを行っていたんですが、同じ日に同じタイミングで種をまいたのに、ふたを開けてみれば成長度合いがバラバラになってしまったんです。というのも、東京の水道水の水温は住んでいる区や、マンション、一戸建てなどの環境によって全て異なるので、水温がバラバラで成長に違いが出てきてしまったんです。その上、今年は梅雨が長かったので、日照時間が短く苗が太くならない事も重なり…。生活環境と東京の気候がダブルの問題になっていますね。

 

印象深い放送BEST3(回数・場所)について伺わせてください。

 思い入れのある回は、「DASH村3・11特別編」です。東日本大震災から1年後に2時間の特番を福島から生放送しました。1年が経過したDASH村の現況、経過報告、そして未来に向けての挑戦を僕らなりに描いたつもりです。初めて、お世話になった福島と福島の皆さんの為に何かを届けたい、と思って番組をつくりました。今でも個人的に印象深い放送です。その他は、「阪神電車との17年ぶりリレー対決」と「古代ザメ・ラブカを生きたまま捕獲した回」です。阪急電車との戦いは、オリンピック選手に最新のバトンパスの技術を教えていただき、走力じゃなく技術で勝てたのが印象深いです。「古代ザメ・ラブカ」に関しては、恐竜やシーラカンスよりも古く現存する最古の魚類を、まさかロケ中に生きたまま捕獲できてしまって(笑) その後、報道局からニュース番組で取り扱いたいと連絡があり、思っていた以上に大騒ぎになりました。

withコロナ・afterコロナでの撮影について、今後どういう取組を行うか構想などありますか?

 まず、体制面で言うと、少人数でロケを行う方向へ変わるかと思います。DASH島は出演者とカメラを持ったディレクターと少人数で行ってますが、今後は他のコーナーも「小規模」「機動力」が求められます。街ブラなどの撮影は難しくなってくるかもしれませんね。今の生活様式にあった新しい企画を提案していくことが必要となっていくと思います。”不自由の中で自由を探す”という、発想が大切かもしれません。地上波の色んな番組が、視聴者の皆さんに新しい遊び方・過ごし方を提案することで、少しでもお役に立てればと思います。

映像制作者を目指す方々へ向けてひと言お願いします。

 何事も”本気で楽しむ“という姿勢で取り組めば、結果はそれほど裏切らないと思っています。なので、仕事をやる上で”まず自ら楽しむ“って事を大切にしてもらえればと思います。ただし…”楽しむ“というマインドを維持するのは、相当な根気と努力が必要で、正直まぁまぁ疲れます。そこは覚悟してください(笑)映像を作る上で、今の時代は「大手メディアじゃなくてはダメ」という訳ではなく、手軽に色々な手段を選べる、作り手にとって恵まれた時代だと思います。僕の友人達も、個人的にYouTubeや色んなプラットフォームで映像を制作して楽しんでいますし、それが仕事にも繋がっています。プロの映像制作者じゃなくても今は学生の時から、コンテンツを自由に作れる時代です。だからYouTubeでもどこでも好きな場所で色々なコンテンツを楽しみながら作って欲しいですね。きっと、思わぬ形でそれが仕事に繋がっていくと思いますよ。

 

――ありがとうございました!

作品情報
日本テレビ系『ザ!鉄腕!DASH!!』

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全国各地のロケなしでは成立しない人気長寿バラエティー。

「出張DASH村」、「DASH島」、「0円食堂」、「DASH海岸」、「ご当地PR課」、「新宿DASH」、「グリル厄介」等々、人と自然をテーマに手作りの感動と夢への挑戦!

大好評のコーナー企画を中心に子供も大人もみんなが興味の持てる生活、夢、遊びを広く大きく追いかけます!毎週様々な内容をお届けしています。

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【作品情報】

毎週日曜日 19:00 - 19:58

出演者:TOKIO  

 

【INTERVIEW】

統轄プロデューサー

島田総一郎さん

1975年生まれ、埼玉県出身。早稲田大学第一文学部卒業後、1999年に日本テレビ放送網入社。過去『雷波少年』『ラジかる!!』『あの人は今!?』などのディレクターを担当し、

現在は『ザ!鉄腕!DASH!!』『幸せ!ボンビーガール』『I LOVE みんなのどうぶつ園』『マツコ会議』『ニノさん』の統轄プロデューサーを務める。

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