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ホーム > 映像関係者の声 > 制作者インタビュー > ロケ地探しに必ずつきまとう「音」の問題

ロケ地探しに必ずつきまとう「音」の問題

2013.11.06
プロデュース部
有限会社エアーノーツ プロデューサー 
一村知生 さん
代表的な作品
MVMr.Children「口笛」(99年)、レミオロメン「粉雪」(05年)、宇多田ヒカル「flavor of life」(06年)、B'z「DIVE」(09年)など
Qミュージックビデオならではのロケ地探しの苦労
昔は「ミュージックビデオの撮影をしたい」とお願いすると、いやらしいビデオの撮影だと勘違いされることが多かった(笑)。今でこそミュージックビデオの認知度は高いですが、当時は映画やドラマ、CMの撮影ではないと伝えると、残りはいやらしいビデオしかなかったようで…。フリーの時代は名刺も手作りだったので、相手に「何者だ」とさらに怪しまれたり(笑)
あと、「音がうるさい」というクレームはどうしてもつきまといます。 
Q撮影の際に、音楽は必ず流すのでしょうか?
基本的には音楽を流して、アーティストがその音楽に当て振りをしているところを撮影していきます。ソロアーティストなどであればそれほど大きな音は出しませんが、バンドとなるとまったく別。しかもロックバンドだったりすると、ラジカセで音楽を流した程度ではアーティストも表現したい激しいパフォーマンスができないものなんです。

とはいえロケ地側の事情もあるでしょうから、抑えめのボリュームで撮影することもあります。それでも最後まで問題になるのは「ドラム」。ドラムは消音パットなどを付けて音が出ないようにしても、叩くと「ガンガンガン」という音がどうしても鳴ってしまう。そうすると、その音よりも大きな音楽が流れていないとアーティストは当て振りができません。そのため、ドラムがいるバンドの撮影にはそれなりに大きな音が必要。ミュージックビデオのロケ地探しは、「音」の問題が切っても切り離せないんです。
Qミュージックビデオというと、草原や海などの自然を舞台にしたタイプと、廃墟やさびれた倉庫などを舞台にしたタイプが多いように思いますが、それは大きな音が出せる場所、という制作側の事情もあるのですか?
それも理由の一つでしょうね。また、ドラマや映画は「物語」があるので、撮影する舞台にも必然性が必要になりますが、ミュージックビデオはカッコいい演奏シーンを撮ることが重要なので、背景にはそこまで必然性がなくても問題ありません。カッコいい演奏シーンが撮れる場所となったときに、背景にスケール感がほしくなるので、草原や広い倉庫・海といった選択になることも多いわけです。 ですが、最近はストーリー性を持たせたミュージックビデオも増えてきています。ミュージックビデオの黎明期はアーティスト中心の内容だったので、セットでの撮影が多かったのですが、最近はストーリー性を持たせるなど内容が多様化してきているので、ロケでの撮影もすごく多いですよ。
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