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ドラマ・映画のプロデューサーに『ロケ地との関わり』『コロナ下での工夫』などをお聞きしました
ドラマ・映画のプロデューサーに『ロケ地との関わり』『コロナ下での工夫』などをお聞きしました
2022.10.07
制作部
プロデューサー
宮川 宗生
さん
代表的な作品
ドラマ
『壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている』
『少年のアビス』
『たびくらげ探偵日記』
『ダメな男じゃダメですか?』
『ホメられたい僕の妄想ごはん』
映画
『Bittersand』
『浜の朝日の嘘つきどもと』
Q
ロケ場所の選定はどのように行っていますか。
プロデューサーという立場から言うと、制作部さんが探してきた場所を、監督とロケハンし、確認するという流れです。ただ、オリジナル企画に関しては場所ありきで考えることもあり、先んじてロケ場所を決めることもあります。
Q
コロナの影響で、以前より撮影のスケジュール感に変化はありますか。
日程を再調整する可能性が以前より格段に高いので、企画が早めに決まっているのであれば、少しでも前倒しで出来ればとは思っています。
実際に、自分が携わった現場でも約1カ月の撮影期間の想定でしたが色々とコロナなどの影響もあり、終わってみれば半月以上クランクアップが伸びてしまったりしました。急遽キャンセルになったりした日などは色々と関係各所への諸連絡や作業で非常に苦慮したりはしました。
Q
コロナ下になってから、地方ロケは行いましたか。
荒牧慶彦さん・水江建太さん主演ドラマ『たびくらげ探偵日記』では、茨城県筑西市や神奈川の江の島で撮影しました。タイトルが「たびくらげ」なので江ノ島水族館でも撮影して、オープニングタイトルバックはそこのくらげさん達を撮影させて頂きました。江ノ島観光協会さんは、自分のような地元の人間でも気づかない様々な撮影ポイントを教えて頂き、とても助かりました。
また、町田啓太さん主演ドラマ『ダメな男じゃダメですか?』では、町田さん演じる役が群馬県の田舎の方から出てきた男の子という設定だったので、撮影は群馬県沼田市近辺で主に行いました。しかも日帰りで。(笑)
Q
最近の地方ロケで、印象的なことはありますか。
香川県の小豆島をシナハンで訪れた時の素敵な情景と贅沢な時間が印象に残っています。
現在企画している作品のロケ地を色々リサーチした結果、小豆島が候補に挙がりました。そこで今年の4月上旬に、監督と脚本家と自分でシナハンをしました。フィルムコミッションの担当者さんの協力もあり、ロケ候補地を見て回り作品に落とし込む作業がとても有意義で建設的な時間でした。
印象に残っているのは、最終日の帰りの飛行機までの待ち時間に、コーヒー片手に波打ち際に3人座りこんでずーっと綺麗な景色を見ながら作品のストーリーの話をしていました。話し込むうちに色んなアイデアも湧き出てきて、普段の日常の生活では中々味わえない贅沢な時間を過ごし、実際その時話し合った事が脚本に多く反映されました。
Q
コロナ前後で予算の使い方は変わりましたか。
コロナによって様々な細かいところ含めてその対策のために計上すべき予算が増してしまっているので本意ではないのですが、撮影日数や撮影地をなるべく少なくし移動をあまり多くしないなどは常に頭の念頭に置いています。例えば一日中一か所で撮影可能だった場合は移動時間も無くなるのでその分撮影時間を多く割り当てられることができます。ただ、それで作品の良さが失われてしまうと本末転倒なのでいつもその狭間でもがいています(笑)。
またゴールデン帯のドラマは撮影しながら台本を進めていくこともありますが、低予算の深夜ドラマ枠の場合は、クランクインする前に基本的に台本を全部完成させるようにしています。なので、例えばヒロインの家での撮影がある場合、その場所で数日でまとめて全話分撮りきります。先日もクランクイン初日からいきなりラストシーン撮ることもあり、もちろん役者さんの気持ちの流れを大切にしなければならないのでスケジュールを作る上ではなるべく避けるように尽力しますが、どうにもならない場合はご相談させて頂きます。
Q
日数調整はプロデューサーが行うのですか。
はい。あとはスケジュールを組むスケジューサーさんもしくは演出部のチーフの方や制作担当さん達と相談しながら決めていきます。コロナの影響で日数が伸びざるを得なかったりするので、色々と調整はとても大変ですね。
Q
ロケ場所側から関わった作品の宣伝協力の交渉を受けたことはありますか。
もちろん、あります。作品を広める上ではむしろこちらとしても是非ともご協力お願い出来ればと思いますが、例えば俳優さんが映りこんだ写真などは、権利的な部分も発生したりするので色々と確認事項が出てきたりはします。
Q
地域ロケや映画について、今後の展望はありますか。
地域とガッチリ手を組んで、映画を作っていきたいですね。1つのチームとして、予算確保から地元の協力を得つつ作品を共に築いていけるような関係性を作っていきたいですね。メジャーな都市だけでなく「こんな街にこんな場所があったんだ!?」と驚き知ってもらえるような作品が出来ると面白いなと思います。作品を作る上でロケーションは画として核になってきますので本当に大切な部分だと思います。それにこの広い日本。まだまだ知らない地域場所は山ほどあると思いますので、自分自身もより知っていきたいと思っています。
また、地域ならではのオリジナルストーリーを作っていく時、そこの地元だけの閉鎖的ないわゆる内輪受けのような作品にはならないように留意したいと思っています。あくまでも広い普遍性を持ったエンタメとして作る中で、個々のロケーションに色をつけられるといいなと思っています。何かありましたら是非ともご一報頂ければと思います(笑)。
Q
ありがとうございました!
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