もちろん、文化庁は引き続き映画界全体を応援していきます。先にお話しした「2か年度助成」や、国際共同制作の補助金のほか、映画に関する人材育成や海外発信も増やせるようにと考えております。
~インタビューを終えて~
制作者の皆さんに「文化芸術振興費補助金」活用について質問すると、「どんな制度?」「申請難しいでしょ?」と逆質問を多くいただき、ならばと取材に赴いた文化庁。採択率3割と限られた国の予算の中、支援できなかった映画作品も数多くあるのが実態ですが、今年度から始まった2か年度助成等は、映画製作の予算課題をくみ取ったもので、現場の声が反映されているのを実感しました。
そもそも、映画を文化として10年間、助成金を出すなどして応援してきた文化庁にとって、『万引き家族』のパルムドール賞は、悲願だったそう。 「ここまで来るのに10年。長かったのか短かったのか分かりませんが、この功績を糧に、第二第三の映画『万引き家族』が生まれるよう、引き続き支援していきたい」と語る文化庁の方々は、日本映画に熱い想いを抱く製作・制作者の心強い味方だと感じました。
なお、『万引き家族』でパルムドールを受賞された是枝裕和監督も、ご自身のブログで文化庁の助成金への謝意を述べられているとともに、日本の映画産業の規模を考えると、まだまだ映画文化振興のための予算は少ない、と述べられています。文化庁には、より一層、映画振興のため頑張っていただきたいと思います。
(是枝監督の公式メッセージ「KORE-EDA.com」:
http://www.kore-eda.com/message/20180607.html)
▶リンク
映画製作への支援(文化芸術振興費補助金)
http://www.bunka.go.jp/seisaku/geijutsubunka/eiga/seisaku_shien/