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ホーム > 映像関係者の声 > プロデューサーインタビュー > チームで作るのが映画。俳優、監督、カメラ・・・など立場関係なくアイディアを持ち寄ることで生まれる、予期せぬ化学反応が面白いと語る吉村知己プロデューサー

チームで作るのが映画。俳優、監督、カメラ・・・など立場関係なくアイディアを持ち寄ることで生まれる、予期せぬ化学反応が面白いと語る吉村知己プロデューサー

2024.05.13
プロデューサー
吉村知己さん

ロケハンは原作者の吉田修一さんが実際に歩いたであろう道を辿ることから始まった。湖のそこに漂っている存在感や閉塞的な空気感を表現したかったと吉村プロデューサー。5/17(金)公開の映画『湖の女たち』。原作の空気感を忠実に表現するために企画がどのように進んでいったのかお話しいただきます。

今回の映画は、『日日是好日』(2018)『星の子』(2020)に続き、プロデューサーとして大森立嗣監督とのタッグですが、どのように企画が始まったのでしょうか?
そもそも大森監督が、原作の吉田修一さんから小説の書評を頼まれた際に、映画化へのラブコールがあったみたいです。私への相談は、ちょうど大森監督と一緒に別の作品で琵琶湖を巡っていた時に相談を受けて。縁を感じましたね。そこから原作を読んで、企画が始まったんです。
主演の福士蒼汰さん、松本まりかさんはどのようにキャスティングされたのでしょうか?
福士さんが演じる圭介という役柄に関しては、高圧的で支配欲の強い刑事だったので、あまり普通では考えないような俳優が良いと思いました。その中で福士蒼汰さんは、メジャー作品やラブストーリーを多く経験しており、一般的にナイスガイというイメージですよね。こういう人が、圭介という今までの役とは全く異なる役を演じるのは、すごく面白いなと。福士さん本人も新たな挑戦として難しい面もあったと思います。大森監督は、キャラクターを作らずに、全部捨てさせて素の俳優そのものを、福士さんを通して出てくるものを撮っていくのですが、福士さんが今まで培ってきた経験や実力ですぐに役柄を理解し適応されている姿はさすがでした。原作にも脚本にもない俳優としての新たな一面を見られたと感じています。
松本まりかさん演じる佳代は本当に難しい役柄でした。原作を読んだ時に神話みたいな印象を持ち、作品に出てくる女性たちは、男たちが繰り返す蛮行を見守る神の化身のような存在だと感じました。その中でも佳代は、堕天使のような。そんなことを考えていたら、松本まりかさんがピンときたんです。実際に演じてもらうと、水のような打ってもどこかひびいてこなくて、ぬるっと掴みどころが無い佳代のイメージと松本さんの持っているリズム感や演技、佇まい、セリフの口調はとても合っていました。この役を演じることは相当な覚悟が必要であったと思いますが、松本さんはまさに“湖の女”として演じてくれました。
原作がある中で、ロケ地の選定はどのようにされましたか?
出来る限り吉田修一さんが描いたことを忠実に再現できるようなロケーションを選ぶことを大切にしました。そこでお世話になった、滋賀ロケーションオフィスの担当の方が、たまたま原作の舞台である高島市の出身の人だったんです。原作の小説を読むと、作者の吉田さんがどこを見てどこを歩いているか全部分かるらしく、実際に、僕らも吉田さんと同じようなところをロケハンして選定していきました。
何といっても「湖」ですよね。撮る際のポイントはありますか?
原作で描かれている空気感を表現したかったので、原作に近い場所で撮影をすることで、観光地としての表情とは違う琵琶湖が表現できたと思います。湖はどこかに繋がっている海と違って閉じていて、よそ者を拒んでいるような不思議な雰囲気がある。カメラマンの辻智彦さんが、いろいろな湖のイメージを撮影してくれました。特にうねうねしているオイルのような気持ち悪い夜の湖面は大好きです。
それから対比となるハルビンの平房湖ですね。北海道の野付半島で撮影しました。中国でのロケはコロナなどの関係で難しかったので、国内で雪が積もっている湖を探していたのですが、これがなかなか難しく。野付半島は、実際には海なんですが、湾になっていて、湖のようでした。広すぎてみんなでスノーモービルに乗って、撮影地点まで行ったのが思い出です。
他にも印象的なシーンも多かったです。佳代が住んでいるエリアも気になりました。
そうですね。佳代が住んでいる家は「川端(かばた)」といわれる用水路を使った生活様式がある日本で唯一の地域です。景観や生活様式を大切に保存されている地域なのですが、地元の方の協力もあって撮影できました。全体的には、地元の人がおっしゃっていたのですが、前を見れば巨大な湖、後ろを見れば山々で、住むスペースが非常に狭いところにへばりついて生きてる、と。そんな雰囲気が、映画の個性にもなったと思います。
※川端…各家を経由して用水路が張り巡らされ、今も生活用水として使われている。
もともと宣伝プロデューサーをされていたそうですが、プロデューサーとしての関わり方と違いはありますか?
映画が世に出ていくプロセスの中で、宣伝プロデューサーは映画ができてからが本番で、プロセスの途中から関わっていきます。プロデューサーとしては企画の始めから関わるという点は違いますが、作品をより多くの人に観ていただくというところは同じなので、気持ちのスタンスはそんなに変わらないです。また、株式会社ヨアケは製作をするときは企画から組み立てる、というスタンスで、最初から最後まで見届けるということをやり続けられたらいいなと思っています。
映像業界を目指す、学生や若い世代へ向けてアドバイス
こうなったらプロデューサーになれるみたいなことはないように思います。プロデューサーが10人いたら、おそらく10通りの色がありますが、その色の違いはあれど、作品それぞれには色濃く映し出されます。その責任と覚悟が必要です。
どういう映画を作るかと企画決める際に、自分の感性を信じられなければなりません。
感性を磨くには色々なやり方があり、これをやったらいいっていうのはなかなか難しいですね。当然、映画の勉強をしなきゃいけないし、今の時代の環境や社会の空気を感じ取らなきゃいけない。自分の感度みたいなものをどうやって高めていくかっていうことをさぼらないことがまず大事です。やり方はそれぞれで、自分で見つけるしかないですね。
それに、映画はプロデューサーと監督と主演俳優などが立っているように見えますが、ものすごい人数が必要で、スタッフは職人の集まりだということを忘れないことです。そのスタッフそれぞれのアイディアとか、力によって映画は変わってきます。出会いや繋がりによって、それが予期せぬ方向に行くことも沢山あります。それこそが映画作りの面白さで、こういう表現だと思っていたところ、がらっと変わったという経験を何度もしています。余白を持ちながら逆にそれを楽しむ、現場で起きていることを楽しむということをしてほしいですね。
作品情報
映画『湖の女たち』
ある介護施設で100歳の老人が亡くなった。事件なのか事故なのか。捜査にあたった西湖署の若手刑事・圭介とベテランの伊佐美は、施設で働く職員の中から容疑者を挙げ、執拗な取り調べを行なっていく。その陰で、圭介は取り調べで出会った施設で働く佳代への歪んだ支配欲を抱いていく。
一方、事件を追う週刊誌記者・池田は、この殺人事件と署が隠蔽してきたある薬害事件に関係があることを突き止めていくが、捜査の先に浮かび上がったのは過去から隠蔽されてきた恐るべき真実で・・・。それは、我々の想像を超えた過去の闇を引き摺り出す。そして、後戻りできない欲望に目覚めてしまった、刑事の男と容疑者の女の行方とはー。
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【作品情報】
2024年5月17日(金)公開
出演者:福士蒼汰 松本まりか 福地桃子 近藤芳正 平田満 根岸季衣 菅原大吉 土屋希乃 北香那 大後寿々花 川面千晶 呉城久美 穂志もえか 奥野瑛太 吉岡睦雄 信太昌之 鈴木晋介 長尾卓磨 伊藤佳範 岡本智礼 泉拓磨 荒巻全紀 財前直見/三田佳子 浅野忠信
原作:吉田修一『湖の女たち』(新潮文庫刊)
監督・脚本:大森立嗣
プロデューサー:吉村知己 和田大輔
製作幹事・配給:東京テアトル、ヨアケ
©️2024 映画「湖の女たち」製作委員会

【INTERVIEW】
プロデューサー
吉村知己さん
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