0から1に膨らませるために意識されてることとはありますか。
松本:自分が普段興味があることや面白そうだと思うことを、頭の中にインプットしたり、常に考えておくことは結構大事だったりしますよね。ドラマの原作を選ぶもそうです。
たとえば『晩酌の流儀』は、もともと僕がお酒が好きで、「毎日19時にお酒を飲むとして、どうしたらこの一杯を美味しく飲めるだろう」ってことを日ごろから考えていました。『週末旅の極意』も僕が3年前ぐらいに結婚して子供ができて、そこからいろいろ感じたことをちょっと出してみた感じなんですよね。
タイアップといえども、自分の経験や考え、蓄積されたものが反映されています。そういうものの方がモノ作りは面白くて、自分がつまらないと思うものを作ることほど辛いことはないです。
すごいですね。普段の生活の中からアンテナを張って考えているのですね。最後に若手映像制作者にメッセージをお願いします。
松本:他の人がやれるようなことじゃなくて、自分にしか作れないものを作るために頑張るのが結果的に一番楽しいと思います。やっぱり好きなことって、100%以上の力が出るので。一つでも何かそれをやれたら、幸せだと思います。
あとは辛い時期とかに諦めないことですね。特にADの時期は大変です。計算できる世界じゃないので、少し出口が見えにくいっていうか。だからこそ、いつか日の目を見るときがある。そこを夢見て頑張ってほしいなと思います。
――ありがとうございました!