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ホーム > 映像関係者の声 > プロデューサーインタビュー > 「インプットは常にしている」 テレ東ヒットメーカー・松本プロデューサーにインタビュー

「インプットは常にしている」 テレ東ヒットメーカー・松本プロデューサーにインタビュー

2023.07.10
プロデューサー
松本拓さん

ドラマ『週末旅の極意』に登場する宿泊施設に注目!

仕事一筋で生きてきた夫婦が、週末の息抜きに「旅」に出る――
観月ありささん、吉沢悠さん主演のドラマ『週末旅の極意』(テレビ東京系)が7月5日(水)から放送スタートしている。

本作はORIX HOTELS & RESORTS(運営:オリックス・ホテルマネジメント)が全面協力し、箱根、別府、富山など計8つの宿泊施設で撮影。施設の雰囲気もさることながら、おいしそうな料理に舌鼓を打つ主演二人の姿に行ってみたくなる人も少なくないはず。

本作のほか、『きのう何食べた?』『晩酌の流儀』など数々のヒット作を生み出してきた松本拓プロデューサーにインタビュー。制作背景や見どころを聞いた。

このドラマには旅の楽しみ方だけでなく、女性としての悩みや夫婦間の問題など様々なテーマが織り込まれていますね。どのような経緯でそうなったのでしょうか。
松本:オリックスさんとは昨年放送したドラマ『雪女と蟹を食う』でもタイアップしていて、その時に「こういうロードムービーって全国でできますよね」という話をしていました。本当に全国に素晴らしいホテルをお持ちで、場所も素敵じゃないですか。そこで、「旅」というテーマで何かドラマを作れないかと考えました。
その時に、テレ東は1人で何かするみたいなドラマは結構ありますが、2人で何かするというのはあまりないなと。テーマは「明るい旅」で、そこに何かひとつスパイスを利かせたかった。それが結婚10年目ぐらいで、子供のいない夫婦。子供のいる家族ではなくて、「夫婦」を旅させたらどうなのか。そのときに話すことってなんだということを考えて、行き着きました。だから旅っていうのはテーマの一つであって。もう一つは、この人たちにとっての夫婦とはなにか「夫婦の形」みたいなことを突き詰めていきました。
観月ありささん演じる主人公の矢吹真澄に共感される方も多いのではないでしょうか。
松本:そうですね。真澄や仁(吉沢悠)ってたぶん幸せなんです。お互い仕事をしてて、経済的にも満たされている。だけど、満たされてるが故の悩みとか、幸福であるから故の不幸さとかもあると思っています。
今まで挫折があっても最終的に順当に進んできた夫婦が、ふと振り返ったときに、そこにある夫婦はどんなものか。いわゆるリアルなところがこの旅によって見えてきます。
旅先では観光などはせず、ホテルで過ごすことがメインになっていますね。それは。 なにか理由があるのでしょうか。
松本:僕が個人的に、旅先では外に出ない人なので。ヒアリングするとそういう人って意外と多いみたいです。
このドラマを作る当初は、別府だったら温泉に行くみたいな案もありましたが、ちょっと中途半端かなと。だったらホテルだけで完結する方が見やすいと思って、今回そうしました。
松本さん、ホテルステイ派なのですね! 今回のロケ地はホテルでしたが、作品に与える影響はどうでしたか。
松本:ロケ場所が良くないと役者の芝居が生きないので、影響はとても大きいです。美術の飾りとかも含めて、視聴率の半分ぐらい担っていると思うぐらい大事だと思っています。今回はオリックスさんからホテルを貸りましたが、やっぱり全然画力が違います。あのグレードのホテルは貸してもらえないこともあるので、ありがたいですね。
続いて、作品を通じて一番伝えたいことをお伺いしたいです。
松本:人って100%満足しようとする部分があると思います。だけどそれは、人生や夫婦においてはそうもいかず、2人で生きている以上は絶対にずれが生じます。ドラマでは全8話でこの夫婦がまとまる視点に行き着きますが、それでも100%同じ方向を向いて歩いていくわけではありません。70%、80%ぐらいの満足で、結構幸せなんだよっていうのを伝えたいですかね。
松本さん自身のこともお伺いしたいのですが、営業からドラマ制作の部署に異動されたとき、どのような準備や勉強をされましたか。
松本:特に勉強はしていないですね。最初はアシスタントプロデューサーとして、台本作りやキャスティングを先輩と一緒にやっていました。
一番大事なのは企画を0から1にすることです。企画作りや台本作り、タイアップの仕方は人によってやり方も違うし、できるものも多分違う。そこが面白さではありますよね。
0から1に膨らませるために意識されてることとはありますか。
松本:自分が普段興味があることや面白そうだと思うことを、頭の中にインプットしたり、常に考えておくことは結構大事だったりしますよね。ドラマの原作を選ぶもそうです。
たとえば『晩酌の流儀』は、もともと僕がお酒が好きで、「毎日19時にお酒を飲むとして、どうしたらこの一杯を美味しく飲めるだろう」ってことを日ごろから考えていました。『週末旅の極意』も僕が3年前ぐらいに結婚して子供ができて、そこからいろいろ感じたことをちょっと出してみた感じなんですよね。

タイアップといえども、自分の経験や考え、蓄積されたものが反映されています。そういうものの方がモノ作りは面白くて、自分がつまらないと思うものを作ることほど辛いことはないです。
すごいですね。普段の生活の中からアンテナを張って考えているのですね。最後に若手映像制作者にメッセージをお願いします。
松本:他の人がやれるようなことじゃなくて、自分にしか作れないものを作るために頑張るのが結果的に一番楽しいと思います。やっぱり好きなことって、100%以上の力が出るので。一つでも何かそれをやれたら、幸せだと思います。
あとは辛い時期とかに諦めないことですね。特にADの時期は大変です。計算できる世界じゃないので、少し出口が見えにくいっていうか。だからこそ、いつか日の目を見るときがある。そこを夢見て頑張ってほしいなと思います。


――ありがとうございました!
作品情報
テレビ東京【水ドラ25】『週末旅の極意 』
私たち夫婦は共働きで、お互いが生粋の仕事人間だ。結婚してから約10年、平日はろくに話す時間も顔を合わせる時間もない。休日はお互いどちらかがゴルフだったり、疲れていたり…。ただ、同じ空間に二人で住んでいる。
半年前、私は夫に一つの提案をした。それは、「週末の二人旅」に出かけることだ。平日の疲れを癒す、という目的ももちろんあるが、旅をすれば嫌でもずっと一緒にいる。「なんでもいい。そこでお互いが思っていることを素直に話そう」というのが一番の理由だった。夫はあっさりと了解した。結婚10年目、私と夫の「週末二人旅」が始まった。
_______________________________
【作品情報】
2023年7月5日(水)放送スタート! 毎週水曜 深夜1時00〜1時30分
放送局:テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ九州放送
 ※テレビ大阪では7月10日スタート 毎週月曜深夜1時30分~
出演: 観月ありさ 吉沢悠 雛形あきこ 丸山智己 村岡希美 平塚日菜 森高愛 藤代太一
監督:青木達也 松本拓 ⻆屋拓海
©「週末旅の極意」製作委員会

【INTERVIEW】
プロデューサー
松本拓さん
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