演出の一人でもある田中健太さんとは同期と伺いましたが、本作『アンチヒーロー』には影響しているでしょうか?
田中監督はとてもマジョリティーな感覚を持っていて、客観的に見て面白いか面白くないかっていうのをよくわかっています。その点、僕は理屈っぽくなってしまったり、世界観や作品のスケール感が小さくなってしまうところがあるんです。その点彼は、大胆な意見をポンと出してきたりするので助かっています。例えば1話の一ノ瀬ワタルさんのキャスティング案は田中監督からの提案でした。阿吽の呼吸というものかどうかはわからないですが、田中監督のそういう感覚的なところも信頼しています。それに、同じドラマ部の同期ということで少し特別です。2005年に入社して、僕も田中監督も1年目は、バラエティ番組の担当で、特に田中監督はかなりハードな現場でした(笑)。その後同じタイミングでドラマ部に異動となり、僕は磯山プロデューサーのドラマ『吾輩は主婦である』(2006)、田中監督はドラマ『クロサギ』(2006)から、ドラマ人生をスタートさせました。その後、ドラマ『最高の人生の終わり方〜エンディングプランナー〜』(2012)や日曜劇場『半沢直樹』(2013)『陸王』『集団左遷!!』『マイファミリー』などで同じ現場を経験しました。今回は、長谷川(博己)さん主演の日曜劇場『小さな巨人』で田中監督がチーフディレクターを担当していて、「長谷川さんはこういう風にしたらすごく魅力的になる」と現場で話しています。今まで色々な現場を僕も田中監督も経験してきて、お互い共有できることが非常に多いので、全部理解できるんです。「そのシーンのここのこういう感じがね」とか「いやこっちじゃない」というような感覚的な会話が、割とストレスなく通じるところはありますね。
プロデューサー自らXでよく発信していますよね。作品の宣伝として効果的に活用されているのですか?
リアルタイム視聴や配信などの視聴方法に結びつくための宣伝方法は、まだまだ模索中です。今回は1話を放送した翌日の月曜日にすぐ試写会を実施したことで、翌日すぐに記事になりました。このタイミングで話題になったことで、その後1日空いて情報番組でも取り上げてくれました。そういったこともあり、割と長くニュースフィードでざわざわしている状態を作り出すことが、今の世の中を見ていると大事なんだろうなと考えます。他には、Xの盛り上がりは以前よりも増して必要なこととして、自分でもポストしています。今はいろんな形で情報を得ることができるからこそ、新しい情報の解禁だけでなく、わくわくするような自分が知らないことが発信されると思うことで、視聴者の方に盛り上がってもらうことを大事にしています。Xは誰でも手軽にポストできますので、投稿によってはネタバレされちゃいますよね。投稿される前に観なきゃと、リアルタイム視聴に繋がっていくんだろうなと思っています。