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ホーム > 映像関係者の声 > プロデューサーインタビュー > 信じる力が生み出した愛と軌跡の実話 /リアルを描く瀬々監督が手がける純愛作品

信じる力が生み出した愛と軌跡の実話 /リアルを描く瀬々監督が手がける純愛作品

2018.02.05
プロデューサー
福島大輔さん

1973年生まれ、静岡県出身。松竹へ2003年に入社し、現在は映画企画室でプロデューサー業務を担当。過去の担当作品に、『犬と私の10の約束』(08)、『未来予想図 ア・イ・シ・テ・ルのサイン』(07)、『好きっていいなよ』(14)、『天空の蜂』(15)、『嫌な女』(16)、『RANMARU 神の舌を持つ男』(16)などがある。

映画化の経緯を教えてください。また、映画化にあたり、監督に何かリクエストされたことはありましたか?

 中原尚志さん、麻衣さんの8年間に及ぶこの物語は、2015年7月に原作本が出版され、十数社からの実写化依頼があったそうです。編集者の方が松竹映画をお好きだったようで、映画化にこぎつけることができました。

 瀬々監督は、ドキュメンタリータッチというか生々しい人間のリアルな描写、内面をきっちり描かれる、えぐりだせる方です。監督からは「恋愛ものってあまりやっていないし、僕でいいの?」と聞かれたのですが、ファンタジックにキラキラ系にするのではなく、監督の得意な“リアルにシンプルに描く”ことをお願いしたいと伝え、納得していただきました。

瀬々監督との映画製作は初めてと伺いましたが、「これぞ瀬々組」と感じられた事はありましたか?

 瀬々組のスタッフは長年連れ添ったチームメイトなので、阿吽の呼吸で動いているようです。照明さんが画面を見ながらメイクさんに指示を出すなど自由闊達にやられていて、監督は演出に集中していましたね。監督は分かりやすい芝居を好まないというか、喜怒哀楽が演技だとしても、逆の要素をまぜて真ん中にもって行って欲しい、といった演出をしていました。リアリティというのはそういうことなのだと思います。佐藤健君と土屋太鳳ちゃんのインタビュー取材でも、健君は「あんまり演技している感を出さないように意識した」と言っていましたね。

作品づくりにあたって、中原ご夫妻とは、どのように関わられましたか?

 撮影前には中原尚志さん、麻衣さん、と麻衣さんのご両親、そして監督、佐藤さん、土屋さんとの懇親会を開きました。お母さんには闘病中のアルバムを持ってきていただき、それを見ながら主演の2人がご夫婦に当時の気持ちについて真剣に質問している姿が印象的でした。

 基本的にはリアルなのですが、夫婦の8年間分を2時間の作品にまとめるので、当然色々な違いが発生するという事は最初にお話をしました。2時間で伝えるということは、どうしても1つの縦軸を作らなければいけません。中原ご夫妻としては、関係者を全部いれて欲しいというご意見もありましたが、中原夫妻を話の軸にした作品にしたいとお話をして、少しずつ作っていきました。

ロケ地は中原夫妻の出身地・岡山、瀬戸内海が中心ですが、こだわった理由とは?

 色々と悩んだのですが、監督は岡山で全部撮影しようという“リアル思考”でした。監督はもともとセットを作って撮影することがあまり好きではないので、東京でのセット撮影もやめて、岡山でリアルな物を借りて撮る方向に監督主動で変わっていきました。当然3、4回はロケハンに行きました。監督は、最初の段階から「小豆島に行きたい」と言っていました。原作には小豆島は出てこないのですが、絵として監督が小豆島を見たい、ということで。

“リアル思考”というのは、作品全体とロケ地は紐付いている、というお考えですか?

 そうですね。プロデューサーとしては、もっと派手さや、キラキラした場所の画も欲しかったのですが、作品に忠実な監督の趣味です。特に小豆島は、監督がひと目で気に入り、即決でした。小豆島の撮影では、実際に島の伝統行事である“農村歌舞伎”が一番のお気に入りで、朝から夜まで300人程のエキストラをいれて、俳優も義太夫も衣装もメイクも全部、一般の方々がおこないました。監督は、舞台と神社、観客席の階段、野原全体を特に気に入っていて、最初に小豆島がロケ地として決まりました。

序盤の見せ場となるプロポーズシーンは、岡山県浅口市の遥照山展望台が撮影地に選ばれました。

ロケ地となった結婚式場は、どちらの会場ですか。

 中原夫妻が実際に結婚式を行った式場を使いたかったのですが、改装工事と撮影期間が被ってしまい…。結果、一番近い同系列の『アーククラブ迎賓館』(広島県福山市)をお借りしました。チャペルのシーンも撮影し、ウェディングドレスなども用意していただきました。お庭も広くて、ロケーションとしては凄く良かったです。

披露宴の準備は大変でしたか?

 ウェディング関係は全て、原作本のきっかけを作った、テイクアンドギヴ・ニーズさんにお願いしました。テイクアンドギヴ・ニーズの久保田さんというメインプランナーが、埋もれていたファイルを引っ張り出したところから始まっています。尚志さんが結婚式を挙げるとあの病気がぶり返すんじゃないかということを考えてらして。久保田さんは「それなら、『感謝祭』にして映像を撮りましょう」という提案をして。それがYouTubeにアップされて反響が起こったことからこのお話はできています。

これから映画をご覧になる方に、一言お願いします。

 私自身、改めて作品を観て、かつ初号の皆さんの意見を聞いて、純粋なお話だな、と感じました。近年の映画には珍しい、主人公の二人の関係性にグッと焦点をあてて描いた作品に仕上がっています。純度の高い二人の愛に注目して観て頂きたいです。

1973年生まれ、静岡県出身。松竹へ2003年に入社し、現在は映画企画室でプロデューサー業務を担当。過去の担当作品に、『犬と私の10の約束』(08)、『未来予想図 ア・イ・シ・テ・ルのサイン』(07)、『好きっていいなよ』(14)、『天空の蜂』(15)、『嫌な女』(16)、『RANMARU 神の舌を持つ男』(16)などがある。

映画化の経緯を教えてください。また、映画化にあたり、監督に何かリクエストされたことはありましたか?

 中原尚志さん、麻衣さんの8年間に及ぶこの物語は、2015年7月に原作本が出版され、十数社からの実写化依頼があったそうです。編集者の方が松竹映画をお好きだったようで、映画化にこぎつけることができました。

 瀬々監督は、ドキュメンタリータッチというか生々しい人間のリアルな描写、内面をきっちり描かれる、えぐりだせる方です。監督からは「恋愛ものってあまりやっていないし、僕でいいの?」と聞かれたのですが、ファンタジックにキラキラ系にするのではなく、監督の得意な“リアルにシンプルに描く”ことをお願いしたいと伝え、納得していただきました。

瀬々監督との映画製作は初めてと伺いましたが、「これぞ瀬々組」と感じられた事はありましたか?

 瀬々組のスタッフは長年連れ添ったチームメイトなので、阿吽の呼吸で動いているようです。照明さんが画面を見ながらメイクさんに指示を出すなど自由闊達にやられていて、監督は演出に集中していましたね。監督は分かりやすい芝居を好まないというか、喜怒哀楽が演技だとしても、逆の要素をまぜて真ん中にもって行って欲しい、といった演出をしていました。リアリティというのはそういうことなのだと思います。佐藤健君と土屋太鳳ちゃんのインタビュー取材でも、健君は「あんまり演技している感を出さないように意識した」と言っていましたね。

作品づくりにあたって、中原ご夫妻とは、どのように関わられましたか?

 撮影前には中原尚志さん、麻衣さん、と麻衣さんのご両親、そして監督、佐藤さん、土屋さんとの懇親会を開きました。お母さんには闘病中のアルバムを持ってきていただき、それを見ながら主演の2人がご夫婦に当時の気持ちについて真剣に質問している姿が印象的でした。

 基本的にはリアルなのですが、夫婦の8年間分を2時間の作品にまとめるので、当然色々な違いが発生するという事は最初にお話をしました。2時間で伝えるということは、どうしても1つの縦軸を作らなければいけません。中原ご夫妻としては、関係者を全部いれて欲しいというご意見もありましたが、中原夫妻を話の軸にした作品にしたいとお話をして、少しずつ作っていきました。

ロケ地は中原夫妻の出身地・岡山、瀬戸内海が中心ですが、こだわった理由とは?

 色々と悩んだのですが、監督は岡山で全部撮影しようという“リアル思考”でした。監督はもともとセットを作って撮影することがあまり好きではないので、東京でのセット撮影もやめて、岡山でリアルな物を借りて撮る方向に監督主動で変わっていきました。当然3、4回はロケハンに行きました。監督は、最初の段階から「小豆島に行きたい」と言っていました。原作には小豆島は出てこないのですが、絵として監督が小豆島を見たい、ということで。

“リアル思考”というのは、作品全体とロケ地は紐付いている、というお考えですか?

 そうですね。プロデューサーとしては、もっと派手さや、キラキラした場所の画も欲しかったのですが、作品に忠実な監督の趣味です。特に小豆島は、監督がひと目で気に入り、即決でした。小豆島の撮影では、実際に島の伝統行事である“農村歌舞伎”が一番のお気に入りで、朝から夜まで300人程のエキストラをいれて、俳優も義太夫も衣装もメイクも全部、一般の方々がおこないました。監督は、舞台と神社、観客席の階段、野原全体を特に気に入っていて、最初に小豆島がロケ地として決まりました。

序盤の見せ場となるプロポーズシーンは、岡山県浅口市の遥照山展望台が撮影地に選ばれました。

ロケ地となった結婚式場は、どちらの会場ですか。

 中原夫妻が実際に結婚式を行った式場を使いたかったのですが、改装工事と撮影期間が被ってしまい…。結果、一番近い同系列の『アーククラブ迎賓館』(広島県福山市)をお借りしました。チャペルのシーンも撮影し、ウェディングドレスなども用意していただきました。お庭も広くて、ロケーションとしては凄く良かったです。

披露宴の準備は大変でしたか?

 ウェディング関係は全て、原作本のきっかけを作った、テイクアンドギヴ・ニーズさんにお願いしました。テイクアンドギヴ・ニーズの久保田さんというメインプランナーが、埋もれていたファイルを引っ張り出したところから始まっています。尚志さんが結婚式を挙げるとあの病気がぶり返すんじゃないかということを考えてらして。久保田さんは「それなら、『感謝祭』にして映像を撮りましょう」という提案をして。それがYouTubeにアップされて反響が起こったことからこのお話はできています。

これから映画をご覧になる方に、一言お願いします。

 私自身、改めて作品を観て、かつ初号の皆さんの意見を聞いて、純粋なお話だな、と感じました。近年の映画には珍しい、主人公の二人の関係性にグッと焦点をあてて描いた作品に仕上がっています。純度の高い二人の愛に注目して観て頂きたいです。

作品情報
映画『8年越しの花嫁』

(STORY)

結婚を約束したカップル、尚志(佐藤健)と麻衣(土屋太鳳)。結婚式を間近に控え幸せ絶頂だったある日、原因不明の病が突然麻衣を襲い、意識不明となってしまう。

いつ目が覚めるかわからない状態に、麻衣の両親(薬師丸ひろ子、杉本哲太)からは「もう麻衣のことは忘れてほしい」と言われるが、尚志は諦めず麻衣の側で回復を祈り続ける。

長い年月の末、ようやく麻衣は目を覚ますが、さらなる試練が二人を待ち受けていた。

そして二人が結婚を約束してから8年、ついに最高の奇跡が訪れる―。

 

監督:瀬々敬久 脚本:岡田惠和 原作:中原尚志・麻衣

出演:佐藤健、土屋太鳳、薬師丸ひろ子、杉本哲太、北村一輝、浜野謙太、中村ゆり、堀部圭亮、古舘寛治

全国公開中

(c)2017 映画「8年越しの花嫁」製作委員会

 

福島大輔(ふくしま・だいすけ)プロデューサー

1973年生まれ、静岡県出身。松竹へ2003年に入社し、現在は映画企画室でプロデューサー業務を担当。過去の担当作品に、『犬と私の10の約束』(08)、『未来予想図 ア・イ・シ・テ・ルのサイン』(07)、『好きっていいなよ』(14)、『天空の蜂』(15)、『嫌な女』(16)、『RANMARU 神の舌を持つ男』(16)などがある。

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