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際どいシーンを○○○○の世界で表現 人気漫画ドラマ化『女の子が抱いちゃダメですか?』撮影の裏側/八木橋ゆり監督インタビュー

2026.04.17
監督
八木橋ゆりさん

来週最終回を迎えるMBSドラマ『女の子が抱いちゃダメですか?』。男女の“夜の悩み”を描いた人気漫画を映像化する上でこだわった部分とは?八木橋ゆり監督に撮影の裏側や注目ポイントを聞いた。

今作をドラマ化するという話が来たとき、どのような印象でしたか?
お話をいただいたときは、すでにドラマ化は決まっていたので、まず原作の情報とプロットをいただきました。原作を読んだときは、ここまで赤裸々に描いている漫画ってあるんだ、と驚きました。カップルの恋愛模様がメインですが、二人の夜の生活がしっかり描かれているんです。踏み込んだ内容に驚いたと同時に、二人の生活を覗き見してるような、読み手も一緒にドキドキハラハラするような新鮮さがありました。

一方で、普遍的なテーマを持った作品と感じました。今作の主人公二人は、互いの後ろめたいことや秘密を打ち明けたり、受け入れたりしながら、すり合わせて二人の幸せに向かっていきます。普通とは少しずれた部分をどうすり合わせていい関係を構築していくか、これは恋愛だけではなく、いろんな人間関係に通じると思うんです。ここが非常に面白いと感じました。
撮影において特にこだわった点はどこですか?
原作漫画をドラマ化するにあたり、原作の魅力でもある込み入った性描写を、どう映像化するかはみんなで頭を悩ませこだわった部分です。映像だとどうしても生々しくなってしまうので、夜と離れた明るい世界観で、さらにメタファーを表現できる舞台の候補を出し合いました。そこで、プロデューサーから「スケートの世界に飛ばそうと思ってるんだよね」と聞いたときにすごく面白いと思って!スケートであれば、愛し合う二人を自由なダンスのように表現できるし、はたまた攻防戦を氷上のスポーツにも例えられそうだとなり、そこから一気にスケートの表現でいこうと話が進んでいきました。

もう一つ、ドラマとしてはライトに見てもらうためにコメディ描写を入れているんですが、根本のテーマに対しては真剣に茶化さず向き合うことを意識しました。“夜の悩み”を持っている方って実はすごく多いと思うんです。そういう方にとって共感やヒントになればいいなと思いながら、根本のメッセージはぶらさないことを意識して作りました。
撮影現場での思い出はありますか?
やはりスケートリンクでの撮影が思い出に残っています。今回は立川にあるMAO RINK(真央リンク)をお借りしました。スケートリンクでの撮影はみんな体の芯から冷えていました。しかも深夜から翌日朝まで夜通しで。そんな中、あたたかい差し入れは撮影中のオアシスでしたね。夜食として篠宮役の高尾颯斗さんがたい焼きを差し入れしてくださったとき、みんなで集まってあったかいねと言いながら食べたのはいい思い出です。プロデューサーや制作部さんもいつもあたたかい飲み物などを用意してくれて、氷の上といういつもの感覚が通用しない大変な撮影でしたがチームの団結力で乗り越えました。

―スケートのシーンは印象的でした!主人公のお二人はかなり練習されたのですか?

スケートの先生についていただいたのですが、美月役の志田こはくさんは元々プロを目指してフィギュアスケートをやられていたので、上手というのもおこがましいくらい、スケートスキルは申し分なくて。今考えると志田さんがいなかったらこのドラマは成立しなかったというくらいです。

篠宮役の高尾さんは、スケートがほぼ初めてだったので練習日を設けました。篠宮の方は、踊ろうとするけど上手に踊れないというシーンがあるのですが、私がイメージを軽く伝えただけで高尾さんは完璧に再現してくれて。複数のアングルから撮影しても毎回ほぼ同じ動きで転んでくれました。さすがダンサーだなと思いましたね。高尾さん含め、撮影が終わる頃にはみんなスケートが上達したんですよ。撮影後にプライベートでスケートをしに行ったスタッフもいたぐらい、スケートブームになりました。
印象に残っているロケ地はありますか?
2話の回想で二人が付き合うことになる告白シーンで使った夜景が見えるベンチです。あそこは、ららぽーと豊洲の近くにある春海橋公園なんですけど、今作でいいロケ地に出会えたと思ったのはここですね。夜景が綺麗で、海が見えて、都内からアクセス良い場所って結構限られるので、今後の作品にも出したいなと思ったくらいおすすめです。

―メイン舞台といえば、篠宮さんの部屋ですよね。注目ポイントはありますか?

今回の作品は家のシーンがかなり長いので、飽きさせないポイントは作りたいなと思っていました。原作の篠宮が「イカ」が好きという設定があるので、美術さんにお願いしてたくさんのイカグッズを用意してもらいました。男性の部屋にも馴染むようにさりげなく配置されているのがとても良くて映すカットを増やしたくらいです。7話から美月が篠宮の家に引っ越してくるんですけど、ポジションが変わっているとか、実は二人の関係を象徴しているところにも注目していただきたいですね。

地方ロケはいかがでしたか?
5話で篠宮と美月の二人の旅行に佐伯がついてきちゃうというエピソードがありましたが、静岡県伊東市で撮影をしています。都内からのアクセスの良さと、海もあり、旅館もあり、ギュッとまとまっている感じがロケしやすいということで、伊東に決まりました。

―実際のロケはどうでしたか?

実は、伊東ロケの回は私の監督回ではないんです!しかし、私だけ地方ロケがないなんてと思い直談判してついて行ったんですよ(笑)。その中で印象に残っているのは、伊東駅前の商店街にある「エリーゼ」という喫茶店です。実際はレトロな純喫茶なんですが、ドラマでは占いの館という設定で、美術セットの立て込みをさせていただきました。普通に喫茶店としても行きたいなと思うぐらい素敵な場所だったのと、すごく撮影に協力してくださって。今回のドラマのロケ地は部屋とスケートリンクがメインだったので、外ロケが私たちにとってはいい気分転換でした。
監督という仕事を選んだのはなぜでしょう?
元々はドラマの監督を目指していたのではなくて、最初は大学を卒業してCMの制作プロダクションに入社しました。そのときは何となく日本のCMが面白くて好きだからテレビCMに関わりたいなという気持ちでした。

―監督を目指すようになったきっかけがあったのですか?

入社してから現場を見て、CMディレクターという職業のかっこよさに打ちのめされました。多分何も知らなかったからそう思えたのかもしれないですけど、TVCMだと15秒しかない中で、細部までこだわる姿や、いろんな部署の人たち全員を同じ方向を向かせるところがすごくやりがいのある仕事だと感じました。最初は単純な動機から、ディレクターを目指して企画を出したり、先輩の現場で勉強したりしたんですが、なかなかうまくいかなくて。そこで会社を辞めて一度自分でやってみようと思い、フリーのディレクターになりました。

その後2023年に自主短編映画を作りました。ディレクターとしてやっていく上で自分が好きなものは何だろうと考え、やっぱりお芝居や物語が好きだと思いそれを形にしました。それが功を奏し、今やってるようなドラマのお仕事につながったのは、とてもラッキーだと思っています。

―今後どのような作品にチャレンジしたいですか?

今自分の中で一番の目標としているのは、長編映画を撮ることです。短編映画を2本作ったので、いずれは商業の長編映画に挑戦したいという気持ちが強いです。
最後に、映像業界を目指している方へメッセージをお願いします。
私は学生の頃から監督になりたいという明確な夢があったわけではなく、好きなことや面白そうと思うことを、そのときそのときに選択してきました。結果的に今こういうお仕事に就けているので、決断しなきゃいけないときに自分の感覚や嗅覚をぜひ大事にしてあげてほしいと思います。
作品情報
女の子が抱いちゃダメですか?
<作品情報>
【タイトル】「女の子が抱いちゃダメですか?」
【出演】高尾颯斗、志田こはく、宇佐卓真、世古口凌、ほか
【原作】ねじがなめた「女の子が抱いちゃダメですか?」(小学館連載)
【脚本】松ケ迫美貴 竹川春菜
【監督】八木橋ゆり 中里洋一
【放送】
・MBS:毎週木曜25:29~
・テレビ神奈川:毎週木曜25:00~
・テレビ埼玉:毎週月曜24:00~
・群馬テレビ:毎週火曜24:30~
・とちぎテレビ:毎週水曜23:30~
・チバテレ:毎週木曜23:00~
【配信】
TVerで一週間の見逃し配信あり
FODで独占見逃し配信中
【公式サイト】
https://www.mbs.jp/daidame/

<Interview>
八木橋ゆり(やぎはし・ゆり)
大学卒業後より広告制作会社で制作の経験を経て、映像ディレクターとしてCMをはじめとする広告映像のプランニングやディレクションを担当。 初の短編映画『あなたが言うなら』では、Hollywood Best Indie Film Awardsなど複数の映画祭で入選・受賞し池袋シネマ・ロサなどで上映。『夫を社会的に抹殺する5つの方法 Re:venge』でテレビドラマ初監督。感情の機微や、複雑な人間関係を表現する演出を得意としている。
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