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ホーム > 映像関係者の声 > 監督インタビュー > 知ることは恋することに似ている/『恋妻家 宮本』脚本家・遊川和彦が映画初監督

知ることは恋することに似ている/『恋妻家 宮本』脚本家・遊川和彦が映画初監督

2017.01.19
監督
遊川和彦さん
今回が初監督作品となりましたが、経緯を教えていただけますか
今回が初監督作品となりましたが、経緯を教えていただけますか

 本当は映画監督になりたくて、30年以上前に広島から母を残して出てきたんです。だから作家になってもその思いが強いので、現場にも行くし、つい細かく演出まで書いてしまう。「誰か僕に監督しろって言ってくれないかな~」と思っていました(笑)。そうしていたらついに今作でプロデューサーから声をかけてもらい、喜んで引き受けたんですよ。

原作は重松清さんの小説ですが、映画化で気を使った部分はありますか

 この作品を映画化するには、まず誰を主人公にするかが一番大切でした。原作には何人かおじさんが出てくるけど、その中でも今回選んだ宮本陽平は優しくて、一番感情移入ができましたね。何より奥さんに離婚届を書かれるという、大問題を抱えていますし(笑)。宮本夫妻に話をフォーカスすることで、描きたいものだけをシンプルに表現することができました。

今回タイトルに入っている“恋妻家”という言葉は監督が考えたんですか

 いえ、“恋妻家”という言葉はプロデューサーに提案してもらったんです。でも自分も「恋妻家」という言葉はすごく良いなと思いました。僕も妻には、時々ですけど(笑)ふと愛を感じることがあるんです。歳を取ると、面倒くさくて恋とかはどうでもよくなってしまう。でもそういう気持ちは忘れてはいけないなと。妻のいろんな面を知ることは、恋することにも似ている気がしますよね。

今回の撮影で印象に残ったロケ地などはありますか

 やっぱり原作のタイトルにもなっているファミリーレストランですね。宮本夫妻の特徴が一目でわかるのがファミレスでの場面。ロケでやると壁を外したり物を動かすのが大変なので、最初はセットにしようと思っていたんです。でもスタッフが千葉県我孫子市の方にちょうど良い閉店した店舗を見つけてきてくれて、そこでの撮影に決めました。

エンディングの歌うシーンもファミレスでしたね

 ファミレスは、陽平の脳内世界です。彼が頭の中で想像したことがファミレスで起きているんです。だから照明を少し明るめにしてもらうなど、細部までかなりこだわっていますね。最後の歌のシーンも楽しい撮影になりました。

ロケ地で言えば、作中の“鯉津真駅”も印象的でした

 架空の駅“鯉津真(こいづま)”は、茨城県の新守谷駅で撮影しました。条件の合う所がなくて、駅を選ぶのが大変でしたね。作中で陽平が階段から転げ落ちるシーンは、実は僕の実体験なんです。僕がADをやっていた若い頃に、駅の階段で転んでギリギリで電車に乗れず大切な現場に間に合わなかった…。当時を思い出しながら、踏み外し方を阿部さんにも説明しましたよ(笑)。

今回主演のお二人にはどんなお話をされましたか

 阿部さんと天海さんの夫婦役には、リアルな熟年夫婦に見せる工夫をしました。天海さんは普通にしていると、ハツラツとして50代に見えないんですよ。とにかく重力を感じて、旦那の前では緊張感なく、だるそうにして下さいとお願いしましたね。夫婦間の微妙な“ズレ”みたいなものは自分の妻から学びました。顔パックのシーンも実話です(笑)

今回が初監督作品となりましたが、経緯を教えていただけますか
今回が初監督作品となりましたが、経緯を教えていただけますか

 本当は映画監督になりたくて、30年以上前に広島から母を残して出てきたんです。だから作家になってもその思いが強いので、現場にも行くし、つい細かく演出まで書いてしまう。「誰か僕に監督しろって言ってくれないかな~」と思っていました(笑)。そうしていたらついに今作でプロデューサーから声をかけてもらい、喜んで引き受けたんですよ。

原作は重松清さんの小説ですが、映画化で気を使った部分はありますか

 この作品を映画化するには、まず誰を主人公にするかが一番大切でした。原作には何人かおじさんが出てくるけど、その中でも今回選んだ宮本陽平は優しくて、一番感情移入ができましたね。何より奥さんに離婚届を書かれるという、大問題を抱えていますし(笑)。宮本夫妻に話をフォーカスすることで、描きたいものだけをシンプルに表現することができました。

今回タイトルに入っている“恋妻家”という言葉は監督が考えたんですか

 いえ、“恋妻家”という言葉はプロデューサーに提案してもらったんです。でも自分も「恋妻家」という言葉はすごく良いなと思いました。僕も妻には、時々ですけど(笑)ふと愛を感じることがあるんです。歳を取ると、面倒くさくて恋とかはどうでもよくなってしまう。でもそういう気持ちは忘れてはいけないなと。妻のいろんな面を知ることは、恋することにも似ている気がしますよね。

今回の撮影で印象に残ったロケ地などはありますか

 やっぱり原作のタイトルにもなっているファミリーレストランですね。宮本夫妻の特徴が一目でわかるのがファミレスでの場面。ロケでやると壁を外したり物を動かすのが大変なので、最初はセットにしようと思っていたんです。でもスタッフが千葉県我孫子市の方にちょうど良い閉店した店舗を見つけてきてくれて、そこでの撮影に決めました。

エンディングの歌うシーンもファミレスでしたね

 ファミレスは、陽平の脳内世界です。彼が頭の中で想像したことがファミレスで起きているんです。だから照明を少し明るめにしてもらうなど、細部までかなりこだわっていますね。最後の歌のシーンも楽しい撮影になりました。

ロケ地で言えば、作中の“鯉津真駅”も印象的でした

 架空の駅“鯉津真(こいづま)”は、茨城県の新守谷駅で撮影しました。条件の合う所がなくて、駅を選ぶのが大変でしたね。作中で陽平が階段から転げ落ちるシーンは、実は僕の実体験なんです。僕がADをやっていた若い頃に、駅の階段で転んでギリギリで電車に乗れず大切な現場に間に合わなかった…。当時を思い出しながら、踏み外し方を阿部さんにも説明しましたよ(笑)。

今回主演のお二人にはどんなお話をされましたか

 阿部さんと天海さんの夫婦役には、リアルな熟年夫婦に見せる工夫をしました。天海さんは普通にしていると、ハツラツとして50代に見えないんですよ。とにかく重力を感じて、旦那の前では緊張感なく、だるそうにして下さいとお願いしましたね。夫婦間の微妙な“ズレ”みたいなものは自分の妻から学びました。顔パックのシーンも実話です(笑)

作品情報
映画『恋妻家宮本』

(STORY)

宮本陽平(阿部寛)と美代子(天海祐希)は、学生時代に合コンで知り合い、卒業と同時にできちゃった婚した夫婦。ごく平穏な結婚生活27年を経て、一人息子の独立の時を迎えていた。理想の夫ではないにしても、浮気もせず教師としてまじめに働き、きちんと給料を入れる。そんな自分になんの問題もないと、陽平は思っていた。ところが、息子夫婦が転勤で福島へ旅立った日、久々の二人きりの生活に戸惑い、ついつい飲みすぎて美代子は酔いつぶれてしまう。そんな夜、陽平は、自宅の本棚で妻の記入欄がすべて書き込まれ、すでに捺印された“離婚届”を発見してしまい…。 

 

監督・脚本:遊川和彦 原作:重松清

出演:阿部寛 天海祐希 菅野美穂 

相武紗季 工藤阿須加 早見あかり 

奥貫薫 佐藤二朗 富司純子 ほか

1月28日(土)より全国ロードショー

(C)2017「恋妻家宮本」製作委員会

 

遊川和彦(ゆかわ・かずひこ)監督

1955年生まれ、東京都出身。テレビ制作会社のディレクターを経て、87年に脚本家デビュー。多数の大ヒットテレビドラマを誕生させる。主な代表作に「GTO」(98)、「女王の教室」(05)、「家政婦のミタ」(11)、「○○妻」(15)、「はじめまして、愛しています。」(16)など。「恋妻家宮本」が映画初監督作品となる。

 

 

 

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