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「⾒返りを求める男」と「恩を仇で返す⼥」の愛憎劇を”時代を先読みする監督”が描く/映画『神は見返りを求める』吉田監督に『作品のこだわり』や『撮影の裏側』を聞く

2022.06.25
監督
監督 吉田恵輔さん/プロデューサー 石田雄治さん

2019年から企画・撮影が始動し、ムロツヨシさん主演で新たな境地へと挑む、映画『神は見返りを求める』が、2022年6月24日(金)にいよいよ全国公開される。吉⽥恵輔に撮影の苦労や思い出、ロケーションへの想いを語ってもらいました。

本作が始まった経緯を教えてください
【吉田監督】
 元々日活時代に『さんかく』という映画と『ヒメアノ~ル』という作品で石田さんとは2本作った仲で、居酒屋で飲みに行った際に、「また何かやろう」という話から始まりました。ああいうものやりたい、こういうものやりたいってことと言っている間に、「見返りを求める男」と「恩を仇で返す女」みたいなものをやりたいとなりました。どういう設定とどのような二人にしていくのかを、何回か話し合っているうちに「YouTuberを題材するがいいかも」と思い決まりました。勿論、僕だけで決めたわけでなく、石田さんからも「監督嫌かもしれないけどYouTuberってどう?」と。
元々は二人の間で男女のテーマは自己顕示欲や承認欲求をテーマにやりたいなって思っていたので、その中で、YouTubeの役者と監督設定などでもいいのではないか、と。
まだ、当時は芸人やタレントがYouTubeを本格的にやっている時ではありませんでした。
YouTuberがフューチャーされてきて、今後プロモーションの時にもYouTubeを媒体として使えるし、そういうのはどうかなっていう話で提案したような気がします。このような形で盛り上がり、作品が進むとは思わなかったです。
最初にその話をされたのはいつ頃ですか?
【吉田監督】
 石田さんと一緒に飲んで、話し始めたのは2018年ぐらいからです。企画内容が具体化したのは2019年の上旬頃です。
基本的に今は、主役級の売れっ子の役者さんはスケジュールが空いているのが大体1年後です。
なので、この座組でこの人キャスティングしましょうとなっても、撮影するのは1年後になります。大体映画を作るとき、逆算してキャストや企画・台本を決定、撮影しています。
劇中でこだわった点や大変だった点、工夫した点を教えてください
【吉田監督】
 苦労した点は衣装です。今回初めてYouTubeのサムネイルの写真のために、何着も衣装を用意して写真を撮りました。オシャレなYouTuber役、岸井ゆきのさんは、衣装だけで30パターン位あります。パソコンに表示される画面も、自分たちで作っており、細部までこだわって表すことに非常に苦労しました。
キャストについてなのですが、人間的なキャラクターをどのように作りこんでいたのでしょうか?
【吉田監督】
 多分僕に向かって「趣味は人間観察です」って言った人はドキッとしていると思います。
【石田プロデューサー】
 人間の嫌な部分をフューチャーするのが上手い。多分そういうところを良く観察しているのだと思います。そういう人の本質を見極める観察力は突出している。こういう人いるよなっていう人間の本音の部分をうまく抽出するのは、吉田さんはすごくうまいです。
【吉田監督】
 人って帰りの電車で「余計なこと言った」って恥ずかしくなったりすると思います。あー失敗したって。その時、僕は一人反省会したときに、またネタを一つ作っちゃったって気持ちになります。これ絶対みんなもやっていると思います。僕はそれで台本かけているからいいです。他の人は持ち帰りしかないわけですから、キツイですよね。
撮影されたのは2020年のコロナ禍真っ最中でしたね、ロケ場所は?
【吉田監督】
 マスク民が映ってしまうので、あまり開けた場所で撮影していません。街中みたいなシーンがほぼなかったのですが、ラストシーンの商店街は、エキストラを入れて早朝に撮影を行いました。エリアとしては横浜方面が多かったです。
また、劇中に出てくる海なのですが、南房総で撮影しました。ソフトクリームおいて踊るところの前が天気の良いシーンで撮影したかったのですが、中々晴れず(笑) 実は、天気予報では晴れって言っていたので、その日に決め南房総まで撮影に行ったのですが、2時間くらい待ちました。これは絶対天気よくならないねって言って帰るという時も1回あり、無事に良い画が撮れて良かったです。
撮影場所の選ばれた基準は?
【吉田監督】
 特殊な場所よりも、みんなが「見たことあるな」と思うような場所を選んでいます。あとは、コロナ真っ只中だったので融通がきくところを選びました。
僕自身があんまり癖のない場所が好きなのです。シンボリックに見えるものも好きじゃなくて。だから日常の平行線に見えるところを選んでいました。劇中に出てくる、ファミレスは、本作品のような一日借りっぱなしで撮影できる場所が凄く少なかったので、撮影でよく使っている場所をお借りしていました。なので、大体ファミレスで撮影すると「ああ、またここだ。懐かしい」という気持ちになります。撮影業界で使うファミレスは10店舗ぐらいに限られていると思います。アパートなども同様だと思います。
ちなみに、劇中でよく出てきたファミレスの「フライングガーデン」は、千葉県の店舗だった気がします。営業自体していない店舗で、ロケ地に貸しています。
吉田監督と石田さんは、どこにお互いのやりやすさを感じていますか?
【吉田監督】
 保守的じゃないところです。YouTubeを含む新しいカルチャーを割と常にフラットに見ているので、いいなと思います。
【石田プロデューサー】
 吸収力です。常に新しいものを求め色々なものを吸収して、他の人たちとは違う視点で物を考えるから、もの凄く新鮮です。一緒に仕事をしていて楽しいし刺激になります。現場でも監督自ら盛り上げてくれるから楽しいです。あとは、自分の頭の中で撮りたい映像が完成しているので、撮影時にほとんど悩まないから驚くほど撮影が早いところもプロデューサーとしては楽ですね。
ロケ場所に求めることはありますか?
【吉田監督】
 素朴な味わいのある景色や物です。僕自身が昭和の人なので、少し昭和ノスタルジーがあるものに惹かれます。古いものや壊れそうなものでしか味わえないものがあるから、綺麗にするのではなくて、その味わいこそを守っていってほしいと思います。
【石田プロデューサー】
 全国でもっとロケセットを増やして欲しいですね。最近は映画の予算がないので、撮影所でセットが組めなくなってしまいました。だからこそロケセットがあると助かります。また僕らが撮影したロケ地がフューチャーされて観光地になったらその場が保存されます。そうすると僕らはまた違う映画で撮影ができるようになります。循環ができたらいいなと思います。
最後に映像制作者の若い子たちに向けてアドバイスをお願いします!
【吉田監督】
 自分と見つめ合ってください。「今の自分は何を好きなのか」「なぜ好きなのか」を考え明確にすることは、若いうちにやっておいた方がいいと思います。その考えは、時代によって変化していってもいいです。割と常に考えることが大切です。
【石田プロデューサー】
 似てしまうかもしれないけど、こだわらないで自分のやりたいことをやってください。映画とか映像に固執しないで自分の作りたいものの表現できる場所を広げていけば、必ず最後はできると信じることが大切なのではないかと思います。

―――ありがとうございました!!
作品情報
映画『神は見返りを求める』
 イベント会社に勤務する⽥⺟神尚樹(ムロツヨシ)は、会社の同僚と参加した合コンで、YouTubr・ゆりちゃんとして活動をする川合優⾥(岸井ゆきの)と出会う。再⽣回数が伸びず、底辺YouTuberから抜け出せないことに悩むゆりちゃんは、イベント会社の社員という仕事柄、動画編集や、動画に必要な着ぐるみの調達が出来る⽥⺟神に、⾃⾝の番組のサポートをお願いする。相変わらず再⽣回数は伸びないながらも、2⼈は励ましあい、互いを思いやる温かい時間を過ごしていく。
そんなある日、ゆりちゃんは人気YouTuber・チョレイ(吉村界人)、やり手のデザイナー・村上アレン(栁 俊太郎)に出会い、彼らの協力によって制作した過激な動画が大バズり。YouTuberとして大きく知名度を高めたゆりちゃんは、次第にチョレイやアレンと行動を共にするようになり、田母神を邪険に扱い始め、二人の関係は豹変する。
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【作品情報】
2022年6月24日(金)公開
出演者: ムロツヨシ、岸井ゆきの、若葉⻯也、吉村界⼈、淡梨、栁俊太郎

監督・脚本:吉⽥恵輔
配給:パルコ 宣伝:FINOR 制作プロダクション:ダブ
©2022「神は⾒返りを求める」製作委員会

※吉田恵輔監督の吉は、士の部分が土になります。

【INTERVIEW】
監督:吉⽥恵輔さん
1975年5⽉5⽇⽣まれ、埼⽟県出⾝。東京ビジュアルアーツ在学中から⾃主映画を制作する傍ら、塚本晋也監督の作品の照明を担当。2006年に⾃らの監督で『なま夏』を⾃主制作し、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のファンタスティック・オフシアター・コンペティション部⾨のグランプリを受賞。2008年には⼩説「純喫茶磯辺」を発表し、同年、⾃らの監督で映画化して話題を集める。近年の主な作品は、『ヒメアノ〜ル』(16)、『⽝猿』(18)、『愛しのアイリーン』(18)等がある。昨年公開された『BLUE/ブルー』『空⽩』では、第34回⽇刊スポーツ映画⼤賞・⽯原裕次郎賞にて監督賞を受賞し、また『空⽩』は、第76回毎⽇映画コンクール・脚本賞、第43回ヨコハマ映画祭では作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞と4冠に輝いた。

プロデューサー:石田雄治さん
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