本作は“同時編集”をしながら制作したとお聞きしたのですが・・・
山口監督:
そうなんです。2日間での撮影とスケジュールがタイトだったということもあるのですが、以前も行った撮影と同時に編集を行う“現場編集”をまたやってみたくて、今回も取り入れました。
(編集の)鈴木くんが撮影のうしろで編集をしてくれて、その場で繋がり的におかしいところとかを指摘してくれるんですよ。その場で画ができてきて、目に見えて足りないところが分かってくるので、NGカットや撮り漏れがかなり減りました。
鈴木さん:
普段なら、編集していて「ここも撮ればよかった」と気づいた時には手遅れなので、気づいた時にすぐに追加で撮れるのは良かったですね。
時間的にも、無駄を減らすという意味でも現場での“同時編集”はメリットがあるなと改めて感じました。
今回のロケ地について教えてください。決め手やこだわった点はありますか?
山口監督:
今回は作品に合わせて、“高校に見える校舎”と“野球ができるグラウンド”を探していました。なかなかイメージに合う場所がなく、仲間のスタッフにも探してもらっていたところ、ここが監督のイメージに合うならばと千葉県佐倉市にある学校の情報が入ってきたんです。それから学校がある千葉県佐倉市のフィルムコミッションに連絡をして、ロケハンさせていただきました。その千葉敬愛短期大学(現在は移転)が探していた両方を兼ね備えていて、本当にラッキーでした。
短大は移転済みで生徒がいなかったので、時間的に自由が効いてよかったです。さらに、野球部が練習していたブルペンは今も地元の方に貸し出しをしているそうで、程よい使用感があって雰囲気も完璧でした。実は、撮影の時も後ろで地元の方が練習しておられたので、引きの画でぼかして映させていただいているんです!
そういった部分からも、よりリアリティのある練習風景が撮れたのではないかと思います。