「面白かったら何でも採用!」という“あぶデカ精神”を、今回の撮影でも大切にしました。各自が持ち寄ったアイデアはできる限り取り入れるから、アドリブも増えるし現場も盛り上がってイキイキした芝居になるんです。そうやってテレビシリーズからずっと長い間、タッちゃん(舘ひろし)、キョーヘイちゃん(柴田恭兵)をはじめ、役者もスタッフもやってきているから、お互いをしっかり分かり合えているんです。だからこそ、不遜かもしれないけれど「ファイナルを撮るなら俺だな」と思えたんですね。
ただし引き受けるからには、必ず良いものを作らないといけない。実はその重圧こそが大事です。自分に枷というか負荷をかけることが、結果的にいいものを生む努力に繋がりますから。スケジュールやロケ地に関する制約なんかも同じこと。困難を乗り越えれば、より創造性に富んだ作品になるはずです。もちろんこの映画にも「引き受けた以上は何がなんでも全うする」という、村川組の職人としての覚悟と矜持が詰まっています。作品をご覧になった方々には、そのことをどこかで感じてもらえると非常にうれしいですね。我々は映画を、観ていただくため・楽しんでいただくために作っているんですから。
長きにわたるシリーズの完結作です。職人の覚悟と矜持を感じてください。
みんな30年の付き合いだからね。タッちゃんは初主演映画から、キョーヘイちゃんなんかまだ全然知られてない頃から僕と一緒にやってきたから、スタッフ含め村川組としての一体感みたいなものができあがっているんです。顔を合わせるだけですぐツーカーの関係に戻れますよ(笑)
今回、吉川晃司さんが、タカ&ユージの敵役として登場しているのですが、身体的能力、センス、芝居に対する姿勢のどれもが、ものすごくよかったです。シリーズ史上、最強のワルとあって、その強烈過ぎる存在感は大きかったですね。しかも特訓中に左足骨折というアクシデントに見舞われながらも、難易度の高いバイクスタントを見事成功させてくれました。
若い頃から横浜には強烈な憧れがありました。その異国情緒や歴史をはじめ、横浜のすべてが大好きです。今でも週に1度はふらりと訪れ散策しているくらいなので、いい画が撮影できるポイントは熟知していますね。30年もここで撮っているから、街の移り変わりも見られて面白いです。
作ることだけを目的にしないこと。恥ずかしいものができあがったとしても人に見てもらうという覚悟と挟持を持って事に当たって下さい。ただ作ることだけが目的になってしまったらそれは本末転倒ですから。見てくれる人を始め、作品の後ろにどんな人たちがいるのかをちゃんと意識しなければいけませんね。そういうことを分かった上で、見てもらうためにどういうことをするかということを考えて下さい。プロになりたいのならそこをちゃんとわきまえるべきだと私は思います。
撮影の受入れを端から拒否しないでほしい。エクスキューズを互いに話し合ったうえで貸してもらいたいですね。たとえば1日に50人ぐらい来客のある喫茶店の場合、大きく見れば、後々もっとお客様が来るきっかけになる等、より良い結果になることもあると思います。撮影のために「半日貸し切りにします」というのはよくあることなのに、映画ときくと割と敬遠しがち。これをまず根本から変えて欲しいです。今は昔と違ってものを壊したら、保険もあるし、ちゃんともと通りにしますから、「なんか来て荒らされるんじゃないか」とか思わないで、前向きに物事を考えていただきたいです。俺は綺麗好きだから、ロケ場所では煙草ひとつ落とさないで帰ります。見ててご覧、じっとしてないよ(笑)。役者に芝居を付けたら、キャメラとかやってる間、まわりを綺麗にして、終わったら全部自分で片付けて、それでお金も払って帰るんだから、もっと前向きに考えてほしいです。
アメリカでは、どこに撮影に行っても「どうぞどうぞ。たくさんの候補の中から選んでくれてありがとう」と迎えてくれます。映像は永遠に残るわけだから、考え方一つですよね。撮影に場所を貸し出すと、お金はもらえるし、有名にもなるし、本当は非常にいいことなんです。滝田洋二郎監督の映画『おくりびと』は山形で撮影されましたが、みんなの印象に強く残っていますよね。もうすこし温かく映像というものを見てくれると、本当に我々も助かります。
日本には、いい画が撮れそうな場所がたくさんあります。最も素晴らしいアングルで撮影するし、役者たちを動かしますから、任せてください。だから多少の無理とか、貸し切りとか、ぜひご協力いただきたいですね。
「面白かったら何でも採用!」という“あぶデカ精神”を、今回の撮影でも大切にしました。各自が持ち寄ったアイデアはできる限り取り入れるから、アドリブも増えるし現場も盛り上がってイキイキした芝居になるんです。そうやってテレビシリーズからずっと長い間、タッちゃん(舘ひろし)、キョーヘイちゃん(柴田恭兵)をはじめ、役者もスタッフもやってきているから、お互いをしっかり分かり合えているんです。だからこそ、不遜かもしれないけれど「ファイナルを撮るなら俺だな」と思えたんですね。
ただし引き受けるからには、必ず良いものを作らないといけない。実はその重圧こそが大事です。自分に枷というか負荷をかけることが、結果的にいいものを生む努力に繋がりますから。スケジュールやロケ地に関する制約なんかも同じこと。困難を乗り越えれば、より創造性に富んだ作品になるはずです。もちろんこの映画にも「引き受けた以上は何がなんでも全うする」という、村川組の職人としての覚悟と矜持が詰まっています。作品をご覧になった方々には、そのことをどこかで感じてもらえると非常にうれしいですね。我々は映画を、観ていただくため・楽しんでいただくために作っているんですから。
長きにわたるシリーズの完結作です。職人の覚悟と矜持を感じてください。
みんな30年の付き合いだからね。タッちゃんは初主演映画から、キョーヘイちゃんなんかまだ全然知られてない頃から僕と一緒にやってきたから、スタッフ含め村川組としての一体感みたいなものができあがっているんです。顔を合わせるだけですぐツーカーの関係に戻れますよ(笑)
今回、吉川晃司さんが、タカ&ユージの敵役として登場しているのですが、身体的能力、センス、芝居に対する姿勢のどれもが、ものすごくよかったです。シリーズ史上、最強のワルとあって、その強烈過ぎる存在感は大きかったですね。しかも特訓中に左足骨折というアクシデントに見舞われながらも、難易度の高いバイクスタントを見事成功させてくれました。
若い頃から横浜には強烈な憧れがありました。その異国情緒や歴史をはじめ、横浜のすべてが大好きです。今でも週に1度はふらりと訪れ散策しているくらいなので、いい画が撮影できるポイントは熟知していますね。30年もここで撮っているから、街の移り変わりも見られて面白いです。
作ることだけを目的にしないこと。恥ずかしいものができあがったとしても人に見てもらうという覚悟と挟持を持って事に当たって下さい。ただ作ることだけが目的になってしまったらそれは本末転倒ですから。見てくれる人を始め、作品の後ろにどんな人たちがいるのかをちゃんと意識しなければいけませんね。そういうことを分かった上で、見てもらうためにどういうことをするかということを考えて下さい。プロになりたいのならそこをちゃんとわきまえるべきだと私は思います。
撮影の受入れを端から拒否しないでほしい。エクスキューズを互いに話し合ったうえで貸してもらいたいですね。たとえば1日に50人ぐらい来客のある喫茶店の場合、大きく見れば、後々もっとお客様が来るきっかけになる等、より良い結果になることもあると思います。撮影のために「半日貸し切りにします」というのはよくあることなのに、映画ときくと割と敬遠しがち。これをまず根本から変えて欲しいです。今は昔と違ってものを壊したら、保険もあるし、ちゃんともと通りにしますから、「なんか来て荒らされるんじゃないか」とか思わないで、前向きに物事を考えていただきたいです。俺は綺麗好きだから、ロケ場所では煙草ひとつ落とさないで帰ります。見ててご覧、じっとしてないよ(笑)。役者に芝居を付けたら、キャメラとかやってる間、まわりを綺麗にして、終わったら全部自分で片付けて、それでお金も払って帰るんだから、もっと前向きに考えてほしいです。
アメリカでは、どこに撮影に行っても「どうぞどうぞ。たくさんの候補の中から選んでくれてありがとう」と迎えてくれます。映像は永遠に残るわけだから、考え方一つですよね。撮影に場所を貸し出すと、お金はもらえるし、有名にもなるし、本当は非常にいいことなんです。滝田洋二郎監督の映画『おくりびと』は山形で撮影されましたが、みんなの印象に強く残っていますよね。もうすこし温かく映像というものを見てくれると、本当に我々も助かります。
日本には、いい画が撮れそうな場所がたくさんあります。最も素晴らしいアングルで撮影するし、役者たちを動かしますから、任せてください。だから多少の無理とか、貸し切りとか、ぜひご協力いただきたいですね。
(STORY)
いよいよ5日後に定年を迎えるタカ(舘ひろし)とユージ(柴田恭兵)。しかし“あぶデカ”コンビは、大人しくなるどころか今まで以上にヒートアップ! かつて壊滅させた銀星会の残党を追って、危険ドラッグ・覚せい剤・拳銃が取引されるブラックマーケットへ。応援も待たずにたった2人で襲撃し、まだまだその暴れっぷりが健在であることを見せつけた。そんな2人の前に現れたのは、最強最悪の敵・ガルシア(吉川晃司)が率いる中南米マフィア「BOB」。世界の闇市場を暴力で牛耳るこの組織の手に落ちれば、横浜は犯罪都市に! タカ&ユージもついに殉職か!? 命を賭けた戦いが、今始まる!!
監督:村川透 製作総指揮:黒澤満 脚本:柏原寛司 撮影:仙元誠三
出演:舘ひろし、柴田恭兵、浅野温子、仲村トオル、吉川晃司、菜々緒、
木の実ナナ、小林稔侍、ベンガル、山西道広、伊藤洋三郎、長谷部香苗、
夕輝壽太、吉沢亮、入江甚儀、片桐竜次ほか
1月30日(土)より全国ロードショー
©2016「さらば あぶない刑事」製作委員会
村川 透(むらかわ・とおる)
1937年、山形県出身。映画『野獣死すべし』(80)など松田優作の主演作を次々と監督。テレビでは『西部警察』(79)、『はみだし刑事情熱系』(96 〜)といった人気刑事ドラマを手掛ける。『あぶない刑事』シリーズは1986年のドラマ開始時より演出に携わり、映画『もっともあぶない刑事』(89)、『あぶない刑事リターンズ』(96)を監督。“あぶデカ”ファンの絶大な支持を得ている。