ご自身で気をつけているキャストの選ぶポイントって何かありますか?
物語の中での関わりや繋がりの中で、組み合わせのバランスを一番大事にしています。
例えば莉映と信之(佐野和真)と蓮の“それぞれのキャラクターだけ”で選ぶというより、その3人の関係性、背景から考えています。例えば、2人は夫婦なので会話とか、夫婦として一番よく見える部分を膨らませてイメージします。
あとはそれぞれのキャラクターが歩んできた過去に一番近そうな人で選ぶようにしています。例えばこの夫婦だったら結婚しているわけなので、結婚に至るまでの道のりをイメージできるような配役ですね。その2人の今まで歩んできた歴史がちょっと見えるような組み合わせというか。だから蓮も、詐欺グループに入ろうとした瞬間というのが役者の佇まいから見えたらいいなと思いながら選びました。
メインロケ地を探す際に気を付けたことはありますか?
『100万円と壊れた愛』は、今話したようなキャラクターの過去を大事にしています。ストーリーの設定だと信之の年齢が9歳上なので、結構見栄を張るようなタイプなのかなと想像して、ローンを組んででも世田谷の一軒家に住んでる設定をイメージしました。そこから考えて、そういうイメージに近い家があり、かつ結構周りの家が大きかったり道が広かったりと、閑静な雰囲気のある地域で選びました。
『なりすましの恋』の方は田舎から出てきた2人なので、多少両親に援助してもらいながら暮らしているけど、ワンルームほど狭いような感じではなく、2人暮らしできるあまり広くないけど狭すぎない感じの家にしました。
ロケ地を決めるときは、何線何駅に住んでいるという感じで、脚本で設定した場所の雰囲気に一番近いところで決めています。
今回は生活感を感じられるところを、チームでピックアップしていって、この2人が住んでいるイメージに近い家が結構すぐ見つかったので、すごく良かったなと思います。