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日曜劇場『VIVANT』『半沢直樹』の福澤監督に聞く!ロケ地とともに歩んだヒットメーカー

2024.07.30
監督
福澤克雄さん

ロケ地にはとことんこだわる福澤監督。ヒットの裏側にあるロケ地を選ぶポイントとは?
ロケ地選びの大切さを学んだ若手時代の話も聞いた。

そもそもどのようなきっかけで監督自ら撮影場所を探すようになったのですか?
私が尊敬している映画監督の橋本忍先生の教えがきっかけです。
「ロケ地は監督自ら探せ。全部を探せとは言わないが舞台はココだっていうのは、絶対自分で探してこい」と教えられたんです。
橋本先生は映画『私は貝になりたい』(1959年)の監督でご自身もロケ地を回るのがお好きな方でした。
ドラマ『流星ワゴン』(2015年)では、原作に「瀬戸内海に面した町」という記述しかなかったので瀬戸内海の海岸をすべてロケハンしたんですよ。
たしかに実際に行って見ることで、そこでの普段の生活やそこに住む人たちの人柄も描けると思います。ロケをした広島県福山市はそういうところを肌で感じ気に入りました。
今でもメインの舞台は自分で足を運び探すようにしています。
福澤監督にとってどういったロケ地が魅力的ですか?
ドラマ『陸王』(2017年)では、愛知県豊橋市と埼玉県行田市でロケを行いました。
豊橋は都会の風景が東京に似ていて、まるで東京みたいな画が撮影できるんですよ。さらに東京では撮影が難しいシーンでも豊橋では撮ることができる。
実際に、国道1号線を封鎖してくれて、1万人のエキストラが来てくれたこともありました。
感謝の気持ちを込めて、ドラマ『陸王』の最終話のマラソンシーンを“豊橋国際マラソン”としました。豊橋には何度もお世話になってきたのに、いつも豊橋じゃないシーンでやっていたので、豊橋を出したいという気持ちがあったんです。
豊橋も行田も地域にロケを引っ張ってくれる人がいる。そういう人がいるとロケが成功するんですよね。ロケに使わせてもらうかどうかは、やっぱり最後は人なんです。
話題になったドラマ『VIVANT』では、どうして島根県をロケ地に選んだのでしょうか?
島根とのご縁はドラマ『砂の器』(2004年)からになります。
原作の舞台が島根だったので車で回ってみたのですが、初めてだからよく分からないし、地理的にも非常に行きにくい。だから最初は別の場所で撮ろうと思ったんですよ。
そうしたら(当時)奥出雲町観光課長の宇田川さんに「来てもらわなきゃ困ります」と呼び止められまして。
再度訪れたらすごい歓待を受けました。よく見れば、街は洗練されているしご飯は美味しいし、みんな品がいいんです。一気にファンになりました。
島根には変わらずにそのままでいてほしいと思っています。地域が盛り上がるように、ドラマで協力していきたいです。
最後に、これから映像制作を志す若者に向けてメッセージをお願いいたします。
映像制作者は恐怖心を抱かないといけないと思います。
ドラマ『半沢直樹』(2013・2020年)のときも、ヒットしたからよかったけれど、こんなもの作っていいんだろうかっていう気持ちでした。でも、視聴者が先の読めないものを作らないといけません。もし外したらと思うと、やっぱり安全策に走ってしまいますからね。後先考えずチャレンジできるということはテレビ局の社員という強みでもあります。
私はTBSでAD(助監督)からスタートしました。そうやって一から積み上げたことで、色々な部署の人にも顔見知りができて、「雨を降らすにはこのくらいお金がかかる」とかドラマ作りのノウハウが分かりました。ロケがいかに大変かが分かるとそれを加味して脚本も作れるので、そこは逃げずに絶対通るべきだと思います。
映像制作を志す若者にはコピーになってほしくありません。自分が視聴者の立場に立って、何が面白く、面白くないのかを判断できる力を身に付けてほしいです。

【Profile】福澤克雄(ふくざわ かつお)
1964年、東京都生まれ。1989年TBSテレビ入社。テレビドラマのディレクター・演出家として、高視聴率を獲得した数多くの人気作を手掛けるほか、映画監督としても活躍するヒットメーカー。
■主なドラマ
『半沢直樹』(2013・2020年)
『下町ロケット』(2015・2018年)
『VIVANT』(2023年)        ほか多数
■主な映画
『私は貝になりたい』(2008年)
『祈りの幕が下りる時』(2018年)
『七つの会議』(2019年)
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