まさにリレーでバトンを交わすように進めたのですね。その中で一戸さんがご自身の色が出ているなと思う部分をぜひ教えてください。
ネタバレにならないようにお伝えするのが難しいのですが…。笑 例えば主人公たちの気持ちが動くきっかけを、こういう情景で表したらいいんじゃないかと提案させていただきました。タイトルの『ライオンの隠れ家』や第一話を見ていただけると分かるのですが、動物が絡んでいるお話なので、動物を連想する要素が主人公の心情と絡む要素であったりします。
私が参加している意味としては、新しい視点で意見を出すということなのかなと思います。なので、図々しくてごめんなさいって毎回言うのですが、遠慮なくやらせてもらっている感じです。笑
今作の舞台である主人公たちが住む町はどこか特定の場所をイメージして書いたのですか?
今回そういった場所はないんです。キャラクター同士の関係性や心情を際立たせるために、海辺の町という舞台がぴったりだったという感じでした。
柳楽優弥さん演じる主人公の小森洸人(こもりひろと)は市役所勤務で、淡々と生活をしている青年で、むしろ誰にでも馴染みのあるような風景が大事なのかなと。
途中でロケ地が決まってからはロケ場所の写真などを参考にしながら企画を膨らませました。
―一方で“ある事件”が起きるのは「山梨」と名指しですが…?
事件が起きるのはたしかに山梨なのですが絶対にここじゃないと駄目っていうことではなくて、どちらかというと距離感を意識しているというのが大きいかなと。海のある町と海のない山梨。海辺の町に住んでいる小森家と、また別の事件が起きる場所があって、主人公たちがだんだんそこに食い込んでいくみたいな感じです。