テーマは、“大島美幸”ですね。主人公・福ちゃんは大島さんにインスパイアされてできた人物。大島さんが演じる福ちゃんがどう魅力的に見えるか、どう面白く見えるかということが一番の関心ごとであり重要なことだったので、そこに尽きます。福ちゃんを中心に周りの人物をどうしていくか、どういう場所で魅せていくかを決めていく流れでした。まあ、大島美幸ありきで進んでいったっていう感じです。どんな人にも代わりはできないと思ったので、大島さんをイメージしながら台本も書いていきました。
大島さんはとても理解力のある人で、脚本を読んだだけでこの役をつかんでくれたので、役の解釈についての問題はありませんでした。気を付けたことといえば、いかにおっさんぽく見せるかという細かい部分です。普段の大島さんは割と内股なので、そこは蟹股にしてほしいと言ったり。あとは、おじさんっぽい表情の作り方とかを二人でいろいろ考えました。たとえば直射日光のある場所で撮影した時、照明さんたちが眩しさを防ぐ方法を大島さんに教えたのですが、大島さんは「いや、でも、まぶしい顔のほうがおっさんに見えるんじゃないか」と言って。「あっ、大島さんはちゃんとそういうこと考えてるんだ」って思いました。そういうことを大島さんはすごい意識していたと思います。
僕は脚本を書くうえで、いろんな強烈な人間がぶつかるような話が好きなんです。今回は福ちゃんという強烈な一つの個性がメインにいるのですが、それによっかかるんじゃなくて、メインとぶつかるくらいの、シーンによってはそいつの方が目立つくらいの人間を周りに配置した方が面白くなると思い、そういう風にしました。テーマは“大島美幸”だと言ったのと矛盾するようですが、矛盾はしていません(笑)。みんなが目立って、みんなが食い合えばいいなとキャラクターを決めていきました。カレー屋のマスターを演じた古舘寛治さんなんかは、ワンシーンしか登場しなかったのに、映画を観た人には強烈な印象が残ったようで、そういう感想を聞くとシメシメと思います。
――福ちゃんのアパートは実在するアパートですか?
あれはもう今は住んでいなくて、取り壊しを待っているような昔の何かの工場の寮かな?場所は三鷹のちょっと先の中央線沿線。ただ、劇中では隅田川沿いのアパートに住んでいる設定です。
――ロケ地を選ぶときに、こだわっている点はありますか?
自分でロケハンをしてその土地にインスピレーションを受けることは多いです。自主映画は自分でロケハンするのでロケ場所には結構詳しいですね(笑)。僕らの大学時代は1980年代で、お台場あたりがまだ一面埋め立て地でした。今の多摩センターのあたりもすごくたくさん家が建っていますが当時は広大な何にもない土地で、そういうところを歩きながら物語を考えていました。割と今は役者に感化されて書きますが、昔はほんとに場所でしたね。今でもロケ地選びは大事だと思っています。
ピクニックのシーンがありますが、あそこは埼玉の奥のほうにある山の上で、行くのが大変でした(笑)。制作部に勧められて行ってみたらすごいいいところで、ああいうところで凧あげたら気持ちいいだろうなって思いました。
凧をあげるといえば河原でも凧あげをするシーンがありますが、河原は9割以上の確率で僕の映画に出てきています(笑)。荒川だったり多摩川だったり川はいろいろあるのですが、なんか好きなんですよね、ダーッと開放的なところが。映画ってやっぱり映るものがすべてなので、気持ちがいい場所、自分が好きなところがいいなと思います。
こっちの予想を上回る場所や物件を見つけてくれた時は、めちゃくちゃテンションが上がりますね。ピクニックの場所もそうだし、福福荘の建物もそうでした。あの内廊下の幅と長さが、芝居をするのに最適でした。
千穂(水川あさみ)が水を飲みながら高速道路を見おろす場所も、たまらなく好きです。
映画の準備期間中というのは、忙しいしトラブルは続出するしで、気持ちが萎えていたりするんですが、すごいロケ候補地に案内されたら、一気にテンションが上がって、ユンケルを3本まとめて飲んだくらい元気になります(笑)。
テーマは、“大島美幸”ですね。主人公・福ちゃんは大島さんにインスパイアされてできた人物。大島さんが演じる福ちゃんがどう魅力的に見えるか、どう面白く見えるかということが一番の関心ごとであり重要なことだったので、そこに尽きます。福ちゃんを中心に周りの人物をどうしていくか、どういう場所で魅せていくかを決めていく流れでした。まあ、大島美幸ありきで進んでいったっていう感じです。どんな人にも代わりはできないと思ったので、大島さんをイメージしながら台本も書いていきました。
大島さんはとても理解力のある人で、脚本を読んだだけでこの役をつかんでくれたので、役の解釈についての問題はありませんでした。気を付けたことといえば、いかにおっさんぽく見せるかという細かい部分です。普段の大島さんは割と内股なので、そこは蟹股にしてほしいと言ったり。あとは、おじさんっぽい表情の作り方とかを二人でいろいろ考えました。たとえば直射日光のある場所で撮影した時、照明さんたちが眩しさを防ぐ方法を大島さんに教えたのですが、大島さんは「いや、でも、まぶしい顔のほうがおっさんに見えるんじゃないか」と言って。「あっ、大島さんはちゃんとそういうこと考えてるんだ」って思いました。そういうことを大島さんはすごい意識していたと思います。
僕は脚本を書くうえで、いろんな強烈な人間がぶつかるような話が好きなんです。今回は福ちゃんという強烈な一つの個性がメインにいるのですが、それによっかかるんじゃなくて、メインとぶつかるくらいの、シーンによってはそいつの方が目立つくらいの人間を周りに配置した方が面白くなると思い、そういう風にしました。テーマは“大島美幸”だと言ったのと矛盾するようですが、矛盾はしていません(笑)。みんなが目立って、みんなが食い合えばいいなとキャラクターを決めていきました。カレー屋のマスターを演じた古舘寛治さんなんかは、ワンシーンしか登場しなかったのに、映画を観た人には強烈な印象が残ったようで、そういう感想を聞くとシメシメと思います。
――福ちゃんのアパートは実在するアパートですか?
あれはもう今は住んでいなくて、取り壊しを待っているような昔の何かの工場の寮かな?場所は三鷹のちょっと先の中央線沿線。ただ、劇中では隅田川沿いのアパートに住んでいる設定です。
――ロケ地を選ぶときに、こだわっている点はありますか?
自分でロケハンをしてその土地にインスピレーションを受けることは多いです。自主映画は自分でロケハンするのでロケ場所には結構詳しいですね(笑)。僕らの大学時代は1980年代で、お台場あたりがまだ一面埋め立て地でした。今の多摩センターのあたりもすごくたくさん家が建っていますが当時は広大な何にもない土地で、そういうところを歩きながら物語を考えていました。割と今は役者に感化されて書きますが、昔はほんとに場所でしたね。今でもロケ地選びは大事だと思っています。
ピクニックのシーンがありますが、あそこは埼玉の奥のほうにある山の上で、行くのが大変でした(笑)。制作部に勧められて行ってみたらすごいいいところで、ああいうところで凧あげたら気持ちいいだろうなって思いました。
凧をあげるといえば河原でも凧あげをするシーンがありますが、河原は9割以上の確率で僕の映画に出てきています(笑)。荒川だったり多摩川だったり川はいろいろあるのですが、なんか好きなんですよね、ダーッと開放的なところが。映画ってやっぱり映るものがすべてなので、気持ちがいい場所、自分が好きなところがいいなと思います。
こっちの予想を上回る場所や物件を見つけてくれた時は、めちゃくちゃテンションが上がりますね。ピクニックの場所もそうだし、福福荘の建物もそうでした。あの内廊下の幅と長さが、芝居をするのに最適でした。
千穂(水川あさみ)が水を飲みながら高速道路を見おろす場所も、たまらなく好きです。
映画の準備期間中というのは、忙しいしトラブルは続出するしで、気持ちが萎えていたりするんですが、すごいロケ候補地に案内されたら、一気にテンションが上がって、ユンケルを3本まとめて飲んだくらい元気になります(笑)。
(STORY)
福ちゃん(大島美幸)は、ちょっぴり愛おしいはみだし者たちが集まる、ぼろアパート「福福荘」に住む塗装職人。上京してから十数年、ずっと福福荘に住み、同じ仕事を続けてきた。昼間は仕事で汗を流し、夜はアパートの住人どうしのトラブルを解決、休日には近くの河原で趣味の凧揚げに精を出す、そんな毎日を送っている。
誰にでも親切を振りまく人気者の福ちゃんだが、恋愛にはオクテで、実はかなりの女性恐怖症・・・。なにかと福ちゃんを気に掛ける親友のシマッチ(荒川良々)がせっかくセッティングしてくれたお見合いの場も台無しにしてしまう・・・。
そんなある日、福福荘に見知らぬ美女が訪ねてくる。その名を聞き、驚く福ちゃん。それは十数年ぶりにあう初恋の人・千穂(水川あさみ)だった。福ちゃんを女性恐怖症にしてしまった中学校時代の事件について謝りに来たという千穂。最初は彼女を突き返してしまう福ちゃんだったが、カメラマン修行中という千穂に次第に打ち解けていくうちに、彼女への恋心を募らせていくのだった・・・。
監督・脚本:藤田容介
キャスト:大島美幸(森三中)、水川あさみ、荒川良々、芹澤興人、飯田あさと、平岩紙、黒川芽以、山田真歩、徳永ゆうき、真行寺君枝、古館寛治、北見敏之
配給・宣伝:ファントム・フィルム
©2014「福福荘の福ちゃん」制作委員会
発売元:ファントム・フィルム
販売元:TCエンタテインメント