ロケハンの時間短縮・コストカットに!
あなたのロケを強力サポート

ロケなび!

監督インタビュー

2017.02.17

「本能寺の変」前日!タイムスリップした主人公が歴史を変える?/いくつもの寺社を撮影した京都ロケの裏側

映画監督鈴木雅之

監督インタビューTOPへ戻る

  • facebook
  • googleplus
  • mixi
  • はてな
  • ――映画『本能寺ホテル』の製作に至った経緯を教えてください。

     最初に、本能寺という「時代を象徴する言葉」と、ホテルという「現代を象徴する言葉」を融合させてみるという発想がありました。それから「本能寺の変」という歴史の一大ミステリーを通じて、現代の他愛のない一人の女の子が一歩踏み出すために、本能寺という大きな事件を乗り越えていく、という設定が面白いのではと考え、企画が始まりました。

     この作品は1582年の戦国時代と、現代の時間が層のように重なり、物語が同時並行的に進行していく不思議な切り口のタイムスリップ物語です。そのためオープニングは綾瀬さん演じる繭子が現代でホテルまで歩くその時に、実は戦国時代では信長が同じ道を歩いていたかもしれないといったイメージで描いています。

    ――「本能寺の変」のシーンについて、ロケ地の決め手となったのはどういう点ですか。

     本能寺は、数か所の寺を組み合わせていて、外観は随心院です。映画の制作陣にとっては「本能寺と言えばここで撮る」というほど有名なお寺です。

     中のシーンは東福寺で、京都でも有名なお寺のベスト5には入っている所だと思います。東福寺は寺院内にお庭があり、通天橋という有名な橋がかかっています。今作はタイムスリップの話なので「タイムスリップをして出てきた瞬間に見る風景」が大事になることから“現代から過去という異空間に唐突に出現した”というイメージを表現できる場所を探してました。通天橋は廊下のような橋の作りが大きくて、閉塞感がなく、抜けがあって撮りやすかったです。舞台セットを含めると、本能寺のシーンだけでも5ヶ所以上で撮影しています。

  • ――お寺側の協力体制はいかがでしたか?

     東福寺は撮影に凄く慣れていて、今回は夜の撮影もさせて頂くなど、だいぶ無理を聞いて頂きました。随心院は照明や火がNGという撮影条件もあったので、そういうシーンは特撮で代用していますが、随分協力的にやっていただきました。ほかにも妙心寺、西教寺、兵庫県では本徳寺、圓教寺と、色々な所に協力していただき撮影しています。

    ――本能寺の焼き打ちについては、オープンセットを組まれたそうですね。

     あのシーンは頑張りました。昨今では、火の使用についてお寺も撮影所もナーバスで、凄く厳しいのです。また、お寺は重要文化財なので、通常の撮影ではセットで作ったものを広い空き地に持って行って燃やす等して意外とお金をかけています。今回は敷地を借りて、本能寺のセットを空き地に移築して実際に火を付けました。もちろんCGもガスも使っているのですが、火は色々な動きをするので、リアル感を出していかなければと思いました。

  • ――ロケで一番印象に残っているシーンはどちらですか。

     標高371mの山頂に建つ兵庫県の書寫山圓教寺です。ロープウェイに乗って山の上まで行かなければならないので、ロケがしづらい場所です。撮影機材を運ぶのが大変なので、制作部は候補地に教えてくれなかったのですが、フィルムコミッションの方から直接聞いたことで、僕が「行こうよ!」と提案しました。それを聞いた制作部はみんな黙ってしまいましたが(笑)。でも、手つかずの自然が残っている素晴らしい環境なのですよ。映画『ラストサムライ』も、そこで撮影していましたね。トム・クルーズはヘリか何かで行ったのでしょうが、我々はえっちらおっちら機材を持って山登りです。

    ――鴨川での撮影について――観光地で撮影する大変さと、それでも選んだ理由について教えてください。

     鴨川というと四條から三條の間が、ザ・観光地で人が多い所ですが、少し外れた三條から二条の間で撮影しました。観光客においては学生の修学旅行が少ない時期だったので、意外と大丈夫でした。

     鴨川を選んだ理由は、古都というイメージで京都が持っている不思議さを感じて欲しかったからです。京都のイメージといえばお寺ですが、「現代の京都」はどこもかしこも、どんどんビルで均一化されているので難しかったです。京都というのが昔の建造物を多く残していて、近代的な町の中にぽつんと京都がある、ということが「京都=お寺」のイメージの元なので。でもそれは「現代」ではなくて「過去」のものなので。一方では鴨川の風景が「現代の京都」を凄く表しているかな、と思うのです。過去から現代に戻るシーンで昔のものばかり写してしまっても分からないので、鴨川は、凄く現代の京都を表しているのではないでしょうか。

  • ――ロケ地を探す時に重視する点や、フィルムコミッションの方との連携について教えてください。

     京都はロケのメッカですので、映像制作の仕事をする人々はある程度ロケ場所を把握しています。ロケ場所というのは、映画の統一感を出すために大事なものの一つだと思っていて、本作で核となったロケ場所は、圓教寺でした。本能寺のシーンは複数の場所を組み合わせて撮影しているため、統一感を出すのが難しいです。「どうしてもここのお寺には鐘が欲しい」と言って作ったりもするのですが、京都の場合は、お寺をについて制作部の人が把握しているので、そういうことが必要のない随心院など候補がすぐに出てきました。 逆に現代の京都のシーンでは、全国の人が観るのに凄くコアな京都を見せられても困ってしまうので、よく現地を知っている人よりも僕らぐらいの方が「京都」の普通のイメージをもっているので大切です。金閣・銀閣などは行きませんでしたが、圓教寺はその筆頭ですね。歴史的建造物には侮れないところがあり、観光でよく行く所でも改めて画を撮ろうとすると、それなりの感動がありました。

    ――ありがとうございました。

映画『本能寺ホテル』

(STORY)

プロポーズされ婚約した繭子は恭一の両親に招かれ京都を訪れる。路地裏に建つ本能寺ホテルにチェックインした彼女は、ホテルのエレベーターに乗って上階に行くはずが、なんと戦国時代の本能寺へタイムスリップしてしまう…。繭子は本能寺に滞在中の織田信長(堤真一)や信長の小姓・蘭丸(濱田岳)と親睦を深めていく。家臣たちに恐れられながらも人間味溢れる深い魅力を持つ信長に惹かれ始めた繭子は、自分が「本能寺の変」の前日にタイムスリップしたことに気付く。

 

監督:鈴木雅之 脚本:相沢友子 音楽:佐藤直紀

出演:綾瀬はるか、堤真一/濱田岳、平山浩行、田口浩正、髙嶋政宏、近藤正臣、風間杜夫 ほか 

1月14日(土)より全国東宝系にてロードショー

©2017 フジテレビジョン 東宝 ホリプロ

 

鈴木雅之(すずき・まさゆき)監督

1958年、東京都出身。フジテレビジョン制作局第一制作センター室長。ドラマ『王様のレストラン」(95)、「ショムニ」(98)など数々のヒットドラマを手掛け、劇場版『GTO』(99)で映画監督デビュー。以来『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』(04)、『プリンセス トヨトミ』(11)、『HERO』(15)など話題作を監督。

no_image

no_image

監督インタビューに戻る

 ページトップへ