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ホーム > 映像関係者の声 > 監督インタビュー > 1シーンの為だけにフランスへ/若者よ、世界に出せる映画を

1シーンの為だけにフランスへ/若者よ、世界に出せる映画を

2015.07.22
監督
鈴木雅之さん
今回の映画『HERO』では大使館のシーンが登場しましたが、神戸でロケを行おうと思われたきっかけを教えてください。
今回の映画『HERO』では大使館のシーンが登場しましたが、神戸でロケを行おうと思われたきっかけを教えてください。

 やっぱり神戸には昔の建物、洋館のようなものがいっぱい残っているので、(作品の中で)ちょっと特殊なものが出てくると、神戸は候補に上がりますよね。神戸は昔の建物を残していくっていう文化がある。今、横浜なんかもどんどんなくなっていってるじゃないですか。他にもずいぶんいろんなところを見たんですけどね。

 大使館の建物は、(大きさや構造に)定番があるわけじゃないので、いちばん重要視したのはやはり壁です。今回の『HERO』は架空の国が登場するおとぎ話なので、国境というか、大きな壁のような隔たりになる状況(を表すもの)が欲しかった。イギリス大使館など、実際の大使館をいろいろ見させていただいたんですが、ある程度のサイズがあって壁があるような建物がなかなか無くて。いくつか見て、最後は神戸の兵庫県公館で、大使館の表と横の壁を撮影しました。

(架空の国として登場する)ネウストリア公国のシーンは、どこで撮影したのですか?

 フランス南部・カンヌから30分くらい行ったところにある避暑地です。木村くんも昔行ったことがあるって言ってましたけど、なかなかの高級な避暑地ですよ。あのラストシーンのためだけにフランスに行ったというのがすごいでしょ(笑)?  僕の要望です。最初はハウステンボスって案もあったんですが、絶対フランスには行かなきゃダメだよってみんなを説得して行きました。

『HERO』でお馴染みの並木道での撮影、現場の様子はいかがでしたか?

 あの場所(東京都江東区辰巳にある一般の公園の並木道)は、前から出演しているメンバーからすると、今や「ああここね」っていう感じなんです(笑)。並木道へ行くと、ちょっとみんなリラックスしますよね。『HERO』的と言いますか、アイスクリームジャンケンが始まるみたいな。吉田羊さんほか、シーズン2から加わったメンバーも、この場所に来ることで「ああ『HERO』に来たんだな」と実感したんじゃないでしょうか。そういう意味ではみんなが馴染むのも早かったです。阿吽の呼吸という感じです。すごく仲が良いんですよね。木村くんもきっとこのメンバーが大好きなので。みんなが揃っているとそれはもう和やかに進んでくれる。逆に言うと、みんなが揃っているということは撮影も大変なので(笑)、出演者が和やかな一方で、スタッフサイドは戦争のような感じになっていました。

 

―― おでん屋台に暴走したトラックが突っ込んでくるシーンは、大掛かりでしたね。

 あれは川崎の商業施設ラチッタデッラです。営業が終わった夜中に撮影したのですが、ああいうことは日本ではやりづらいです。何ヵ所か候補はあったんですけど、東京近郊だと実際に撮るのは難しくて。とはいえそう遠くにばかり行くこともできないので、(川崎は)本当によく撮影させてくれたなと思います。

 日本では、映画に対しての協力体制がそんなにないので、(大掛かりな撮影は)なかなか厳しいですよね。それでも地方に行くと、フィルムコミッションとか協力機関があるんです。今回の大使館シーンの撮影では、神戸フィルムオフィスが、場所を封鎖して撮影に協力してくださいました。

映画監督になりたい人やドラマをつくりたい人へメッセージをお願いします。

 今年、トニー賞の授賞式で渡辺謙さんがノミネートされていたのをみて、とても感動しました。去年も見たのですが、やっぱりすごいなと思っちゃいまして、なんだか僕自身「これからまだまだ日本の映画や日本のエンターテイメントが、世界にもっともっと追いついていかなきゃいけない。ちまちまやってる場合じゃないな」って、すごく思いました。

 だからこれから映像作品づくりを目指している人は、もっと世界のものをいっぱい見て、どんどんチャレンジしてほしいです。きらびやかなものを作ってくれるといいなって思います。世の中には大勢の人がいて、いろんな頭が、いろんなアイデアがいっぱいあるわけですから、いろんな人に目指してほしい。

 例えば、テニス界では錦織くんが頑張っているとか、サッカー界では香川選手が頑張っているとかいうように、日本の映画監督だって世界で頑張っていかなきゃいけないんだなって思うんです。本当に世界に出せる映画を、どんどん作っていってほしいと思いますね。僕はもう年とっちゃったんで(笑)。

今回の映画『HERO』では大使館のシーンが登場しましたが、神戸でロケを行おうと思われたきっかけを教えてください。
今回の映画『HERO』では大使館のシーンが登場しましたが、神戸でロケを行おうと思われたきっかけを教えてください。

 やっぱり神戸には昔の建物、洋館のようなものがいっぱい残っているので、(作品の中で)ちょっと特殊なものが出てくると、神戸は候補に上がりますよね。神戸は昔の建物を残していくっていう文化がある。今、横浜なんかもどんどんなくなっていってるじゃないですか。他にもずいぶんいろんなところを見たんですけどね。

 大使館の建物は、(大きさや構造に)定番があるわけじゃないので、いちばん重要視したのはやはり壁です。今回の『HERO』は架空の国が登場するおとぎ話なので、国境というか、大きな壁のような隔たりになる状況(を表すもの)が欲しかった。イギリス大使館など、実際の大使館をいろいろ見させていただいたんですが、ある程度のサイズがあって壁があるような建物がなかなか無くて。いくつか見て、最後は神戸の兵庫県公館で、大使館の表と横の壁を撮影しました。

(架空の国として登場する)ネウストリア公国のシーンは、どこで撮影したのですか?

 フランス南部・カンヌから30分くらい行ったところにある避暑地です。木村くんも昔行ったことがあるって言ってましたけど、なかなかの高級な避暑地ですよ。あのラストシーンのためだけにフランスに行ったというのがすごいでしょ(笑)?  僕の要望です。最初はハウステンボスって案もあったんですが、絶対フランスには行かなきゃダメだよってみんなを説得して行きました。

『HERO』でお馴染みの並木道での撮影、現場の様子はいかがでしたか?

 あの場所(東京都江東区辰巳にある一般の公園の並木道)は、前から出演しているメンバーからすると、今や「ああここね」っていう感じなんです(笑)。並木道へ行くと、ちょっとみんなリラックスしますよね。『HERO』的と言いますか、アイスクリームジャンケンが始まるみたいな。吉田羊さんほか、シーズン2から加わったメンバーも、この場所に来ることで「ああ『HERO』に来たんだな」と実感したんじゃないでしょうか。そういう意味ではみんなが馴染むのも早かったです。阿吽の呼吸という感じです。すごく仲が良いんですよね。木村くんもきっとこのメンバーが大好きなので。みんなが揃っているとそれはもう和やかに進んでくれる。逆に言うと、みんなが揃っているということは撮影も大変なので(笑)、出演者が和やかな一方で、スタッフサイドは戦争のような感じになっていました。

 

―― おでん屋台に暴走したトラックが突っ込んでくるシーンは、大掛かりでしたね。

 あれは川崎の商業施設ラチッタデッラです。営業が終わった夜中に撮影したのですが、ああいうことは日本ではやりづらいです。何ヵ所か候補はあったんですけど、東京近郊だと実際に撮るのは難しくて。とはいえそう遠くにばかり行くこともできないので、(川崎は)本当によく撮影させてくれたなと思います。

 日本では、映画に対しての協力体制がそんなにないので、(大掛かりな撮影は)なかなか厳しいですよね。それでも地方に行くと、フィルムコミッションとか協力機関があるんです。今回の大使館シーンの撮影では、神戸フィルムオフィスが、場所を封鎖して撮影に協力してくださいました。

映画監督になりたい人やドラマをつくりたい人へメッセージをお願いします。

 今年、トニー賞の授賞式で渡辺謙さんがノミネートされていたのをみて、とても感動しました。去年も見たのですが、やっぱりすごいなと思っちゃいまして、なんだか僕自身「これからまだまだ日本の映画や日本のエンターテイメントが、世界にもっともっと追いついていかなきゃいけない。ちまちまやってる場合じゃないな」って、すごく思いました。

 だからこれから映像作品づくりを目指している人は、もっと世界のものをいっぱい見て、どんどんチャレンジしてほしいです。きらびやかなものを作ってくれるといいなって思います。世の中には大勢の人がいて、いろんな頭が、いろんなアイデアがいっぱいあるわけですから、いろんな人に目指してほしい。

 例えば、テニス界では錦織くんが頑張っているとか、サッカー界では香川選手が頑張っているとかいうように、日本の映画監督だって世界で頑張っていかなきゃいけないんだなって思うんです。本当に世界に出せる映画を、どんどん作っていってほしいと思いますね。僕はもう年とっちゃったんで(笑)。

作品情報
映画『HERO』

(STORY)

ネウストリア公国大使館の裏通りで、コンパニオンの女性が車にはねられ死亡。東京地検城西支部の久里生公平検事(木村拓哉)は、事務官の麻木千佳(北川景子)共に事故を起こした運転手を取り調べる。そんな中、かつて久里生の事務官を務めていた雨宮舞子(松たか子)が現れる。大阪地検難波支部の検事である雨宮は広域暴力団が絡んだ恐喝事件を追っており、その重要な証人が、久里生が担当する事故の被害者だったのだ。さっそく合同捜査に乗り出した久里生と雨宮は、事故現場近くの大使館に捜査の協力を請うが、そこには“治外法権”という大きな壁が立ちはだかっていた。

 

監督:鈴木雅之 脚本:福田靖 音楽:服部隆之

キャスト:木村拓哉 北川景子 杉本哲太、濱田岳、正名僕蔵 吉田羊、田中要次、勝矢、松重豊、八島智人、小日向文世、
角野卓造、松たか子、佐藤浩市

© 2015 フジテレビジョン ジェイ・ドリーム 東宝 FNS27社

2015年7月18日(土) 全国ロードショー

 

鈴木雅之(すずき・まさゆき)

1958年、東京都出身。94年フジテレビ入社。「王様のレストラン」(95)、「ショムニ」(98)などのドラマを演出。「HERO」は01、14年両シーズンのチーフディレクターを務める。映画監督作は『GTO』(99)、『NIN×NIN忍者ハットリくん THEMOVIE』(04)、HERO』(07)、『プリンセストヨトミ』(11)など。

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