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ホーム > 映像関係者の声 > プロデューサーインタビュー > 世界的巨匠が伊豆を舞台に描く、2組の男女の愛と狂気/もっと日本で海外映画を!

世界的巨匠が伊豆を舞台に描く、2組の男女の愛と狂気/もっと日本で海外映画を!

2016.01.29
プロデューサー
木藤 幸江さん

1963年生まれ。大学卒業後に渡米し、ロサンゼルスで製作や宣伝に携わる。2000年に帰国後は、洋画の買い付けや国際業務を担当。その後、プロデューサーとして活動を続ける。手掛けた主な作品に、イーサン・ホーク監督の「痛いほどきみが好きなのに」(06)やワン監督と組んだ「千年の祈り」(07)、カンヌ国際映画祭である視点部門を受賞した黒沢清監督「トウキョウソナタ」(08)などがある。

映画『女が眠る時』のキャスト決定までの経緯を教えてください。 また、これからご覧になる方へメッセージをお願いします。

ワン監督とは、以前にご一緒させていただいたこともあり、この作品の構想段階で声を掛けて下さいました。ただ、原作はヨーロッパが舞台の英語で書かれた物語。私の出る幕ではないと思いました。「実は、日本でやりたいんだ」という監督の希望を聞いて、私が真っ先に推薦したのが、西島秀俊さんだったんです。監督も彼の作品をすでに目にしていたらしく、2人とも意気投合して、そこから映画化が動き出した感じですね。ビートたけしさんのところに行きたいと監督がおっしゃられて、原作者の方もたけしさんが出るのなら、完全に邦画にしてもいいと言って下さった。正直、可能性は低いと思っていましたが、たけしさんにも「ウェイン・ワン監督なら」と引き受けていただけて…。そんな奇跡のようなことが重なった邦画なんです。忙しい合間に監督に会いに来て下さった忽那さんにも、すごくご縁を感じました。4週間という時間をキャスト・スタッフともに同じホテルで過ごし、良いコミュニケーションの中でできた幻想的な作品です。一番に日本の方に愛して欲しいと願っています。奇跡のタッグによる幻想世界を楽しんで下さい。

舞台となったリゾートホテルは、何が決め手だったのでしょうか?

 物語の要となるホテルは、南国のリゾートをイメージして探していました。数ある候補地の中から、ラインプロデューサーが「ここ以外見る必要がない」と伊豆今井浜の東急ホテルを選定してワン監督に見せたところ、即決定したんです。大きなプールと海まであって、台本に書かれていた条件以上にぴったりでした。滞在先としてもお世話になったのですが、忙しいキャストのスケジュールも組みやすい好立地でした。撮影にも協力的で、ロケのために用意したイスやテーブルを、気に入って今も残してくれているそうです。

雨の中の崖のシーンは迫力がありましたね

 当日は偶然にも激しい嵐に見舞われたのですが、「リアルなシーンを撮りたい」という監督の希望もあり、悪天候のなか撮影を敢行しました。本当に危なくて、2回くらい撮影をストップさせようと思いました。撮影が無事に終わったこと自体が神がかりだと思います。

言葉の違いにより撮影で苦労されたことはありましたか?

 ワン監督の指揮する現場のコミュニケーションは、すべて英語でした。オーストラリア出身の忽那汐里さんをはじめ、主要キャストは計らずも英語に堪能な人が多かったです。たけしさんも結構聞き取れるようで『オーケー!』『ナイス!』などを、よく使っていました。西島さんや小山田さんも、英語で監督と直接お話しされていて、素晴らしいことだと思いました。

海外の方で、日本で映画を撮りたいと思っている方は周りにいらっしゃいますか?

 いっぱいいます!ですが、他の国と比べると日本は撮影がしにくい場所というのが現実です。撮影受入れの環境面が整っていないがために、ほかと比べた挙句、別のところへ撮影に行ってしまうというのは正直なところ、多いと思います。

日本で撮影したいという相談も実際に受けますか?

 時々あります。でも、やはり"東京の高速道路でアクション"などと聞くと無理だと思いますけど…(苦笑) ニーズはいっぱいあると思います。実際は、やりたいけど現状を聞いて諦めている人がたくさんいます。

あと、残念なのは「やってよかったよ!」という話がいっぱいあれば、もっと撮影したいという声が増えると思うのですが、「やりたかったけど、大変と言われてあきらめた」という話の方が今は多いです。今回、ワン監督が実際に撮影して「良かったよ!」と言うのは、効果があるかなと思っています。

地方で撮影する場合、こういうところがあったらいい!という希望はありますか?

 ストーリー次第ではないでしょうか。そこで何が必要かとか、街の特徴が物語に合っているかそうでなければ、やはり協力的な所でしょうか。時間の融通とか、こういう場所があると教えていただけるとか。フィルムコミッションだと思うんですけど、それがどれくらいいいところが出てくるか、あとはキャスト・スタッフのケア、施設があるのか、対応策は?など。そういう相談ができるといいのかなと思います。

この業界を目指す若い方にメッセージを

 好きだったらがんばって続ける、ということじゃないでしょうか。楽な業種ではないと思うので。好きなことだったら、達成感があると思いますし、今は新しいことができる時代なんじゃないかな、と思いたい。この作品のように、海外の監督の邦画、奇跡的なキャストの実現など、いろんな可能性があると思います。

 私は全然この道のベテランではなくて、海外の作品の買付け、セールスなどから入った人間なのですが、私でもできることなので、ほかの業種の方なども、どんどん挑戦したらいいと思います。

1963年生まれ。大学卒業後に渡米し、ロサンゼルスで製作や宣伝に携わる。2000年に帰国後は、洋画の買い付けや国際業務を担当。その後、プロデューサーとして活動を続ける。手掛けた主な作品に、イーサン・ホーク監督の「痛いほどきみが好きなのに」(06)やワン監督と組んだ「千年の祈り」(07)、カンヌ国際映画祭である視点部門を受賞した黒沢清監督「トウキョウソナタ」(08)などがある。

映画『女が眠る時』のキャスト決定までの経緯を教えてください。 また、これからご覧になる方へメッセージをお願いします。

ワン監督とは、以前にご一緒させていただいたこともあり、この作品の構想段階で声を掛けて下さいました。ただ、原作はヨーロッパが舞台の英語で書かれた物語。私の出る幕ではないと思いました。「実は、日本でやりたいんだ」という監督の希望を聞いて、私が真っ先に推薦したのが、西島秀俊さんだったんです。監督も彼の作品をすでに目にしていたらしく、2人とも意気投合して、そこから映画化が動き出した感じですね。ビートたけしさんのところに行きたいと監督がおっしゃられて、原作者の方もたけしさんが出るのなら、完全に邦画にしてもいいと言って下さった。正直、可能性は低いと思っていましたが、たけしさんにも「ウェイン・ワン監督なら」と引き受けていただけて…。そんな奇跡のようなことが重なった邦画なんです。忙しい合間に監督に会いに来て下さった忽那さんにも、すごくご縁を感じました。4週間という時間をキャスト・スタッフともに同じホテルで過ごし、良いコミュニケーションの中でできた幻想的な作品です。一番に日本の方に愛して欲しいと願っています。奇跡のタッグによる幻想世界を楽しんで下さい。

舞台となったリゾートホテルは、何が決め手だったのでしょうか?

 物語の要となるホテルは、南国のリゾートをイメージして探していました。数ある候補地の中から、ラインプロデューサーが「ここ以外見る必要がない」と伊豆今井浜の東急ホテルを選定してワン監督に見せたところ、即決定したんです。大きなプールと海まであって、台本に書かれていた条件以上にぴったりでした。滞在先としてもお世話になったのですが、忙しいキャストのスケジュールも組みやすい好立地でした。撮影にも協力的で、ロケのために用意したイスやテーブルを、気に入って今も残してくれているそうです。

雨の中の崖のシーンは迫力がありましたね

 当日は偶然にも激しい嵐に見舞われたのですが、「リアルなシーンを撮りたい」という監督の希望もあり、悪天候のなか撮影を敢行しました。本当に危なくて、2回くらい撮影をストップさせようと思いました。撮影が無事に終わったこと自体が神がかりだと思います。

言葉の違いにより撮影で苦労されたことはありましたか?

 ワン監督の指揮する現場のコミュニケーションは、すべて英語でした。オーストラリア出身の忽那汐里さんをはじめ、主要キャストは計らずも英語に堪能な人が多かったです。たけしさんも結構聞き取れるようで『オーケー!』『ナイス!』などを、よく使っていました。西島さんや小山田さんも、英語で監督と直接お話しされていて、素晴らしいことだと思いました。

海外の方で、日本で映画を撮りたいと思っている方は周りにいらっしゃいますか?

 いっぱいいます!ですが、他の国と比べると日本は撮影がしにくい場所というのが現実です。撮影受入れの環境面が整っていないがために、ほかと比べた挙句、別のところへ撮影に行ってしまうというのは正直なところ、多いと思います。

日本で撮影したいという相談も実際に受けますか?

 時々あります。でも、やはり"東京の高速道路でアクション"などと聞くと無理だと思いますけど…(苦笑) ニーズはいっぱいあると思います。実際は、やりたいけど現状を聞いて諦めている人がたくさんいます。

あと、残念なのは「やってよかったよ!」という話がいっぱいあれば、もっと撮影したいという声が増えると思うのですが、「やりたかったけど、大変と言われてあきらめた」という話の方が今は多いです。今回、ワン監督が実際に撮影して「良かったよ!」と言うのは、効果があるかなと思っています。

地方で撮影する場合、こういうところがあったらいい!という希望はありますか?

 ストーリー次第ではないでしょうか。そこで何が必要かとか、街の特徴が物語に合っているかそうでなければ、やはり協力的な所でしょうか。時間の融通とか、こういう場所があると教えていただけるとか。フィルムコミッションだと思うんですけど、それがどれくらいいいところが出てくるか、あとはキャスト・スタッフのケア、施設があるのか、対応策は?など。そういう相談ができるといいのかなと思います。

この業界を目指す若い方にメッセージを

 好きだったらがんばって続ける、ということじゃないでしょうか。楽な業種ではないと思うので。好きなことだったら、達成感があると思いますし、今は新しいことができる時代なんじゃないかな、と思いたい。この作品のように、海外の監督の邦画、奇跡的なキャストの実現など、いろんな可能性があると思います。

 私は全然この道のベテランではなくて、海外の作品の買付け、セールスなどから入った人間なのですが、私でもできることなので、ほかの業種の方なども、どんどん挑戦したらいいと思います。

作品情報
映画『女が眠る時』

(STORY)

1週間の休暇を取り、妻の綾(小山田サユリ)と郊外のリゾートホテルを訪れた作家の清水健二(西島秀俊)。初めての小説がヒットするも現在はスランプに陥り就職が決まっていた彼は、妻との関係も倦怠期を迎え無気力な時間を過ごしていた。しかし滞在初日、健二はプールサイドで異様な存在感を放つ初老の男・佐原(ビートたけし)と、若く美しい女・美樹(忽那汐里)のカップルに目を奪われる。それ以来、好奇心に動かされた健二は、ホテル内で佐原たちを見掛けるたびに2人の後をつけ、彼らの部屋をのぞき見るようになっていき…。

 

(DATA)

監督:ウェイン・ワン 

脚本:マイケル・K・レイ、シンホ・リー、砂田麻美

出演:ビートたけし 西島秀俊 忽那汐里 

小山田サユリ リリー・フランキー ほか

2月27日(土)より全国ロードショー

(C)2016 映画「女が眠る時」製作委員会

http://www.onna-nemuru.jp/

 

プロデューサー

木藤幸江(きとう・ゆきえ)

1963年生まれ。大学卒業後に渡米し、ロサンゼルスで製作や宣伝に携わる。2000年に帰国後は、洋画の買い付けや国際業務を担当。その後、プロデューサーとして活動を続ける。手掛けた主な作品に、イーサン・ホーク監督の「痛いほどきみが好きなのに」(06)やワン監督と組んだ「千年の祈り」(07)、カンヌ国際映画祭である視点部門を受賞した黒沢清監督「トウキョウソナタ」(08)などがある。

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