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ホーム > 映像関係者の声 > プロデューサーインタビュー > 世代を越えて共感できる、類似品のない純愛映画 /死ぬほど実現したかった夢が叶いました

世代を越えて共感できる、類似品のない純愛映画 /死ぬほど実現したかった夢が叶いました

2015.11.16
プロデューサー
石黒裕亮さん

1987年生まれ。愛知県出身。2010年に東宝株式会社に入社し、2012年より同社の映画企画部に所属。14年のTVドラマ「ホワイト・ラボ~警視庁特別科学捜査班~」でプロデューサーデビュー。そのほかのプロデュース作は映画「神さまの言うとおり」(14)、橋本光二郎監督と組んだオリジナルビデオ作品「秘密屋」(14)。

映画『orange-オレンジ-』の魅力・見どころを教えてください

 ここ数年、少女漫画の映画化が進んでいますが、これまではティーンが喜ぶ純愛ものが多かったように思います。この作品も“純愛”という言葉を使ってはいますが、恋愛だけに絞るのではなく、誰もが感じたことのある友情や、大切な人を守りたいという気持ちがテーマになっています。私自身、原作の大ファンで、高校時代だけでなく、10年後の世界も描かれるので、26歳以上の人が読むと大人パートですごく泣けるんですよね。10代から20代前半の方がメインターゲットではありますが、きっとどの世代の方が観ても「(映画の中に)自分がいる」と思っていただけると思います。それに橋本光二郎監督は、長編映画はこれが初監督ですが、若者たちを描いた素晴らしいドラマを作ってこられた方です。橋本監督ならではの瑞々しい映像に加え、若手の魅力の引き出し方が抜群にうまい方なので、そこにもご注目ください。

少女漫画の実写化ということで、類似作がありそうに思われるでしょうが、きっとどの作品とも違う、温かくてせつない映画になっていると思います。

映画『orange-オレンジ-』を企画・映画化するにあたって苦労した点は?

 苦労点は2つあって、1つは脚本づくり。原作5巻のなかで名場面の取捨選択が非常に難しかったです。部分的に選んでいくとただのいいとこ取りみたいになり、ストーリーとしてもまとまりがなくなってしまうので非常に難しかったです。脚本も8ヶ月程かけて十何稿と書き、最初のプロットから随分変わってしまいましたが、それくらい悩みに悩んで完成させました。最終的にバランスのとれたものになったと思っています。

 もう1つの苦労点は、キャスティングです。主演2人(土屋太鳳さん、山﨑賢人さん)は割と早くから答えが見つかりましたが、須和役は主演2人と並ぶくらい超人気キャラクターですし、他の3人についても納得させられるキャラクター・世代で、次の映画界を引っ張っていける人を探しました。運命的だなと思ったのが、みんな原作を読んでいたことです。山崎紘菜ちゃんは、もともと『orange』を実写化するならどんな役でも出たいって言ってたくらい好きだったし、桜田くんもブログにも原作者の高野先生と話したいと書いていたくらい原作に対する愛情がとっても強かった。高野先生とも大分やり取りをしながら、全員が原作から出てきたまんまだと納得する答えを見つけました。

原作「orange」の舞台・長野県でオールロケをされたそうですね

 原作の舞台で撮るというのは役者さんにとって非常に意味があることだと思いますね。殺伐とした都会的では生まれえないピュアな人間関係だったり、この土地で育まれたから出てくる感情を感じることができたと思います。自然が多い土地なので作り物では出せない地元感が明確に出ている。転校生の翔が始業式に「一緒に帰ろうぜ」って誘われるシーンも、ふつう東京の学校ではそんなにすぐ仲良くならないと思うんですけど、松本市だから納得できるっていう。なんか説得力がありますよね。

主要キャストの6人は現場でどんな様子でしたか

 とにかく仲がいい!監督がクランクイン前に東京で6人を集めて、本読みや演技のレッスンだけでなく、みんなでトランプをしたり、ピザを食べたりしたんです。そこでそれぞれの素顔がわかり、一気に距離が縮まりました。撮影後も夜ご飯に行ったり、男3人はサウナで裸の付き合いまでしていたらしいです(笑)。皆うるさすぎるくらい仲がよく、和気藹々とした現場でした。

撮影協力をされた長野フィルムコミッションの方に対し、感心した事はありましたか

 はい。長野は撮影が多く行われていて、言わなくても何が必要か先にわかってらっしゃるので仕事が早いです。プラス、地元松本を売り込もうという気持ちが強いですね、こっちが質問したことにその場ですぐ答えられるっていうことばかりで、本当にお見事です。

地元の劇場の方もとても応援してくださって、劇場で『orange』のマンガ販売コーナーを作ったり、地元の企業の方と繋いでくださったり、全面協力して頂きました。弊社には松本市の認定シネマが過去3作(『神様のカルテ1,2』、『岳』)あり、今回4作目を狙っています。過去一番、松本市らしい作品であると思うので、力が入っています。

企画・プロデュースのお仕事について。数ある作品の中から類似性がないものを見つけて映画化を企画するのは、至難の業なのでは?

 半分は運だと思っています。あとは、どのプロデューサーもいい原作を探している中で、どう自分のなかで作品の良さを見つけていくか。作品の一番の特長は何か、どこが新しいことなのかっていうところをみつけていく作業だと思います。

入社された時から、今の仕事をしたいという夢をもっていたのですか?

 はい。東宝に入る時点で映画の企画・プロデューサーをしたいと思っていて、違う部署にいながらずっと企画を出し続けて、夢が叶いました。時間がかかりましたが経験していくうちに企画が通るようになって。「orange」は映画企画部に来たばかりの時から「絶対に自分がやりたい!」と思っていて、休載期間中も追いかけて、なんとか最後競争しながら勝ち取りました。本当に夢が叶った瞬間で、死んでもいいとまでは言わないですが、これを実現しなければ死にきれないと思うくらいの作品なので、ここまでたどり着けただけで幸せなことだなと本当に感じています。

5~10年後の夢があったら教えてください

 新しい作品を生み出すごとにお客さんに近いものを作っていくことができたら良いなと思っています。数字で言うならば興行収入100億円の作品を作るという夢はずっと持ち続けたいですね。ただプロデューサーって、作品ごとに世の中の流れをみているので、2~3年先の未来を見てはいますがその先まで考えていない。計画的な仕事ではないんですよね。それこそ、世の中の流れも変わって少女漫画の映画化なんて一本もないかもしれない。それでも、一過性ではなくずっと人の心に残るような作品を、時を重ねるごとに作っていければいいなと思っています。

1987年生まれ。愛知県出身。2010年に東宝株式会社に入社し、2012年より同社の映画企画部に所属。14年のTVドラマ「ホワイト・ラボ~警視庁特別科学捜査班~」でプロデューサーデビュー。そのほかのプロデュース作は映画「神さまの言うとおり」(14)、橋本光二郎監督と組んだオリジナルビデオ作品「秘密屋」(14)。

映画『orange-オレンジ-』の魅力・見どころを教えてください

 ここ数年、少女漫画の映画化が進んでいますが、これまではティーンが喜ぶ純愛ものが多かったように思います。この作品も“純愛”という言葉を使ってはいますが、恋愛だけに絞るのではなく、誰もが感じたことのある友情や、大切な人を守りたいという気持ちがテーマになっています。私自身、原作の大ファンで、高校時代だけでなく、10年後の世界も描かれるので、26歳以上の人が読むと大人パートですごく泣けるんですよね。10代から20代前半の方がメインターゲットではありますが、きっとどの世代の方が観ても「(映画の中に)自分がいる」と思っていただけると思います。それに橋本光二郎監督は、長編映画はこれが初監督ですが、若者たちを描いた素晴らしいドラマを作ってこられた方です。橋本監督ならではの瑞々しい映像に加え、若手の魅力の引き出し方が抜群にうまい方なので、そこにもご注目ください。

少女漫画の実写化ということで、類似作がありそうに思われるでしょうが、きっとどの作品とも違う、温かくてせつない映画になっていると思います。

映画『orange-オレンジ-』を企画・映画化するにあたって苦労した点は?

 苦労点は2つあって、1つは脚本づくり。原作5巻のなかで名場面の取捨選択が非常に難しかったです。部分的に選んでいくとただのいいとこ取りみたいになり、ストーリーとしてもまとまりがなくなってしまうので非常に難しかったです。脚本も8ヶ月程かけて十何稿と書き、最初のプロットから随分変わってしまいましたが、それくらい悩みに悩んで完成させました。最終的にバランスのとれたものになったと思っています。

 もう1つの苦労点は、キャスティングです。主演2人(土屋太鳳さん、山﨑賢人さん)は割と早くから答えが見つかりましたが、須和役は主演2人と並ぶくらい超人気キャラクターですし、他の3人についても納得させられるキャラクター・世代で、次の映画界を引っ張っていける人を探しました。運命的だなと思ったのが、みんな原作を読んでいたことです。山崎紘菜ちゃんは、もともと『orange』を実写化するならどんな役でも出たいって言ってたくらい好きだったし、桜田くんもブログにも原作者の高野先生と話したいと書いていたくらい原作に対する愛情がとっても強かった。高野先生とも大分やり取りをしながら、全員が原作から出てきたまんまだと納得する答えを見つけました。

原作「orange」の舞台・長野県でオールロケをされたそうですね

 原作の舞台で撮るというのは役者さんにとって非常に意味があることだと思いますね。殺伐とした都会的では生まれえないピュアな人間関係だったり、この土地で育まれたから出てくる感情を感じることができたと思います。自然が多い土地なので作り物では出せない地元感が明確に出ている。転校生の翔が始業式に「一緒に帰ろうぜ」って誘われるシーンも、ふつう東京の学校ではそんなにすぐ仲良くならないと思うんですけど、松本市だから納得できるっていう。なんか説得力がありますよね。

主要キャストの6人は現場でどんな様子でしたか

 とにかく仲がいい!監督がクランクイン前に東京で6人を集めて、本読みや演技のレッスンだけでなく、みんなでトランプをしたり、ピザを食べたりしたんです。そこでそれぞれの素顔がわかり、一気に距離が縮まりました。撮影後も夜ご飯に行ったり、男3人はサウナで裸の付き合いまでしていたらしいです(笑)。皆うるさすぎるくらい仲がよく、和気藹々とした現場でした。

撮影協力をされた長野フィルムコミッションの方に対し、感心した事はありましたか

 はい。長野は撮影が多く行われていて、言わなくても何が必要か先にわかってらっしゃるので仕事が早いです。プラス、地元松本を売り込もうという気持ちが強いですね、こっちが質問したことにその場ですぐ答えられるっていうことばかりで、本当にお見事です。

地元の劇場の方もとても応援してくださって、劇場で『orange』のマンガ販売コーナーを作ったり、地元の企業の方と繋いでくださったり、全面協力して頂きました。弊社には松本市の認定シネマが過去3作(『神様のカルテ1,2』、『岳』)あり、今回4作目を狙っています。過去一番、松本市らしい作品であると思うので、力が入っています。

企画・プロデュースのお仕事について。数ある作品の中から類似性がないものを見つけて映画化を企画するのは、至難の業なのでは?

 半分は運だと思っています。あとは、どのプロデューサーもいい原作を探している中で、どう自分のなかで作品の良さを見つけていくか。作品の一番の特長は何か、どこが新しいことなのかっていうところをみつけていく作業だと思います。

入社された時から、今の仕事をしたいという夢をもっていたのですか?

 はい。東宝に入る時点で映画の企画・プロデューサーをしたいと思っていて、違う部署にいながらずっと企画を出し続けて、夢が叶いました。時間がかかりましたが経験していくうちに企画が通るようになって。「orange」は映画企画部に来たばかりの時から「絶対に自分がやりたい!」と思っていて、休載期間中も追いかけて、なんとか最後競争しながら勝ち取りました。本当に夢が叶った瞬間で、死んでもいいとまでは言わないですが、これを実現しなければ死にきれないと思うくらいの作品なので、ここまでたどり着けただけで幸せなことだなと本当に感じています。

5~10年後の夢があったら教えてください

 新しい作品を生み出すごとにお客さんに近いものを作っていくことができたら良いなと思っています。数字で言うならば興行収入100億円の作品を作るという夢はずっと持ち続けたいですね。ただプロデューサーって、作品ごとに世の中の流れをみているので、2~3年先の未来を見てはいますがその先まで考えていない。計画的な仕事ではないんですよね。それこそ、世の中の流れも変わって少女漫画の映画化なんて一本もないかもしれない。それでも、一過性ではなくずっと人の心に残るような作品を、時を重ねるごとに作っていければいいなと思っています。

作品情報
映画『orange-オレンジ-』

(STORY)

高校2年生の菜穂(土屋太鳳)は、10年後の未来の自分が書いた手紙を受け取る。そこには転校生の翔(山﨑賢人)を好きになること、1年後に翔が死んでしまうことが書かれていた。最初はイタズラだと思っていたが、本当に翔が転校してくるなど、手紙に書かれていたことが実際に起こり、菜穂はその手紙を信じる

ようになっていく。26歳の自分と同じ後悔を繰り返さないように、そして翔の命を助けるために、菜穂は手紙に書かれている未来の自分からのアドバイスを実践しようとし、仲間の須和(竜星涼)らにも手紙の存在を打ち明けることにする。

 

(DATA)

監督:橋本光二郎 

原作:高野苺「orange」(双葉社刊)月刊アクション連載

出演:土屋太鳳、山﨑賢人、竜星涼、山崎紘菜、桜田通、清水くるみ

12月12日(土)より全国ロードショー

(C)2015「orange」製作委員会 (C)高野苺/双葉社

 

 

プロデューサー

石黒裕亮(いしぐろ・ゆうすけ)

1987年生まれ。愛知県出身。2010年に東宝株式会社に入社し、2012年より同社の映画企画部に所属。14年のTVドラマ「ホワイト・ラボ~警視庁特別科学捜査班~」でプロデューサーデビュー。そのほかのプロデュース作は映画「神さまの言うとおり」(14)、橋本光二郎監督と組んだオリジナルビデオ作品「秘密屋」(14)。

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