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ホーム > 映像関係者の声 > 監督インタビュー > 鎌倉の景色が彩る“広瀬すず×山﨑賢人”涙の青春劇。 /一緒に仕事したいのは、自分の世界観を共有し、触発してくれる人

鎌倉の景色が彩る“広瀬すず×山﨑賢人”涙の青春劇。 /一緒に仕事したいのは、自分の世界観を共有し、触発してくれる人

2016.07.12
映画監督
新城毅彦さん
原作のある作品を映画化する際に気を遣われたところはありますか?
原作のある作品を映画化する際に気を遣われたところはありますか?

 ファンがたくさんいるので映画化に賛否両論あるのは分かっていますが、原作と映画は別物です。原作の世界観は大事にしないといけませんが、映画にする以上、自分の「プラスα」を乗せたいと思っています。原作は僕も共感しやすく、キャラクターもとても魅力的で、好きなタイプのお話だったので、迷いなく出来ました。原作のどこを映画で撮るべきかは、プロデューサーたちと話し合って決めました。脚本の改稿も何回も重ねましたね。抑えなければならないポイントはちゃんと決まっていたので、これまでの原作モノでは一番やりやすかったです。

映画予告編にも登場した、広瀬すずさんが川に飛び込むシーンが印象的ですが、あの橋はどこですか?

 岐阜県にある“郡上おどり”というお祭りが有名な場所です。飛び込みができる撮影場所を探したんですが、なかなか近場では見つからなくて。前にテレビか何かで見た記憶があったのと、ネット検索で出てきたこの場所に目をつけました。一般の方や観光客の方もよく飛び込みをされている有名な観光地だったので、封鎖して撮影をする許可を撮るのに時間がかかりました。原作ではもっと小さな小川の小さな橋からの飛び込みなんですが、実際に飛び込むにはあれぐらいの高さと大きさがないと飛び込めません。

映画のメインロケ地に、湘南・鎌倉を選ばれた理由は?

 原作は東京・練馬が実際の舞台なんですが、東京は撮影がしにくいんです。リアル感が強すぎて、原作のキラキラ・キュンキュンする感じの画にはならなさそうで…。また湘南・鎌倉は以前に何回か撮影していますが、映画撮影への協力体制も整っていて全国的にも印象が良い土地だと思います。今回は初めて鎌倉高校で撮影許可が下りて、江の島が遠くに見える屋上でロケができたのはすごくうれしかったです。スタッフは機材を持って、役者さんにもご自身ではしごを登っていただき撮影しました。

ヴァイオリニスト役の広瀬さん、天才ピアニスト役を演じた山﨑さんですが、お二人の音楽センスはいかがでしたか?

 良かったようですね。音楽が見せ場になる作品なので、二人には、とにかくたくさん練習していただきましたが。でも最終的にはセンスというよりも根性と集中力です。二人とも頑張ってくれて、練習の時はできなかったことが本番でできたり。当たり前ですが観ている人には本当に弾いているように見えないといけません。リアリティがないと格好が悪いですから。そして、やっぱりピアノよりヴァイオリンの方が難しいと思いました。ヴァイオリンなんて、普通は触らないですからね。肩がガチガチになってしまうそうで、最後は二人ともマッサージをしながら撮影に臨んでいました。二人とも、相手が上達するとお互いに悔しがっていて、良いライバル心をもって撮影に挑んでくれたと思います。

かをり(広瀬すず)が公生(山﨑賢人)を伴奏者に任命した印象的なシーンは、どこで撮影されたのですか?

 (鎌倉市南西部にある)稲村ケ崎ですね。夕日が綺麗で、江ノ島も見えて、意外と人がいないんですよ。とても綺麗で大好きな場所で、撮影の仕事もしやすそうな場所だと思っていました。

 また今回は、エキストラも多すぎて困ったくらい、たくさん来ていただきました(笑)。皆さん、冬なのに夏の格好をしていただいていたので「来てもらったからには写してあげないとかわいそうだ!」と助監督と相談して撮影をしました。

コンサートホールを4つ、撮影で使用されたそうですが、選定のこだわりは?

 撮影を始めて知ったのですが、音楽ホールは、定期的に使っている団体や高校の発表会などで、1年前位から予約が入っているんですね。僕は半年ぐらい前から探したので、関東近県で空いている場所をピックアップしていきました。撮影には3日ぐらいかかりますし、準備片づけ含めて4~5日は連続でおさえないといけないので、結構難しかったです。ラストシーンを撮影した国立音大ホールも、最初はスケジュールがとれないと言われていたのですが何とか撮影することが出来ました。

 コンサートホールは、舞台が狭いと良い画が撮れません。奥行きがないと正面から撮っても舞台側から撮ってもスペースの大きな所とのバランスが良くないと美しく撮れない、というように色々な制約があります。また、ホール自体の作りはどこも似ているので、画が似ないように気を付けて撮影したり、ラストシーンを最初に撮るわけにもいかないので撮れる曲の順番にあわせてホールを確保したりと、結構大変でしたね。

撮影中のアクシデントなどはありましたか?

 手術室のシーンですね。本当の手術室をお借りして撮影しているので「急患が入ったら撮影を中断してもらうかも」と言われていました。そしたら、クランクアップ直前の撮影で本当に急患が来てしまって。「今までそういうことはない」と周囲の人からは聞いていましたし、広瀬さんのスケジュールがもう空いていなかったので、日にちがずれると撮影ができない!と、焦りました。不可抗力なので仕方のないことなのですが、なんとか広瀬さんのスケジュールを調整してもらって撮り直して、結局手術シーンでクランクアップになりました。天気にはずっと恵まれていたので、これには翻弄されました。

作品の見どころ、読者へのメッセージをお願いします。

 10代の子たちと映画を撮るのは久しぶりだったのですが、彼らの真面目さ、真剣さが画に出ました。映画を観て「周りに関わる人とちゃんと向き合っていればちゃんと返ってくる」ということが伝わればいいな、と思っています。映画は原作の深い話を恋愛に絞ってギュッと絞っているので、映画を観た後、絶対に原作を読んでもらいたいですね。世知辛い世の中ですが、若い時にいろいろ考えることは大事です。何かに一生懸命になったり、恋したり、友達とバカをしたりすることが、かけがえのないことだというのが年をとるとわかります。4人を見て、若い人にはこれからも羨ましい青春を送ってほしいですね。映画を観て何か考えて、感じてもらえたら嬉しいです。

監督が、一緒に働きたいと思うスタッフとはどんな人ですか?

自分を持っている人。持っている世界観を共有できる人。そして、そのコンセンサスを取れる人、ですね。意見を聞かない人だと面倒だと思ってしまうので…。

あとは新しいことに気づかせてくれる人、触発してくれる人がいいですね。年齢は関係ないです。

原作のある作品を映画化する際に気を遣われたところはありますか?
原作のある作品を映画化する際に気を遣われたところはありますか?

 ファンがたくさんいるので映画化に賛否両論あるのは分かっていますが、原作と映画は別物です。原作の世界観は大事にしないといけませんが、映画にする以上、自分の「プラスα」を乗せたいと思っています。原作は僕も共感しやすく、キャラクターもとても魅力的で、好きなタイプのお話だったので、迷いなく出来ました。原作のどこを映画で撮るべきかは、プロデューサーたちと話し合って決めました。脚本の改稿も何回も重ねましたね。抑えなければならないポイントはちゃんと決まっていたので、これまでの原作モノでは一番やりやすかったです。

映画予告編にも登場した、広瀬すずさんが川に飛び込むシーンが印象的ですが、あの橋はどこですか?

 岐阜県にある“郡上おどり”というお祭りが有名な場所です。飛び込みができる撮影場所を探したんですが、なかなか近場では見つからなくて。前にテレビか何かで見た記憶があったのと、ネット検索で出てきたこの場所に目をつけました。一般の方や観光客の方もよく飛び込みをされている有名な観光地だったので、封鎖して撮影をする許可を撮るのに時間がかかりました。原作ではもっと小さな小川の小さな橋からの飛び込みなんですが、実際に飛び込むにはあれぐらいの高さと大きさがないと飛び込めません。

映画のメインロケ地に、湘南・鎌倉を選ばれた理由は?

 原作は東京・練馬が実際の舞台なんですが、東京は撮影がしにくいんです。リアル感が強すぎて、原作のキラキラ・キュンキュンする感じの画にはならなさそうで…。また湘南・鎌倉は以前に何回か撮影していますが、映画撮影への協力体制も整っていて全国的にも印象が良い土地だと思います。今回は初めて鎌倉高校で撮影許可が下りて、江の島が遠くに見える屋上でロケができたのはすごくうれしかったです。スタッフは機材を持って、役者さんにもご自身ではしごを登っていただき撮影しました。

ヴァイオリニスト役の広瀬さん、天才ピアニスト役を演じた山﨑さんですが、お二人の音楽センスはいかがでしたか?

 良かったようですね。音楽が見せ場になる作品なので、二人には、とにかくたくさん練習していただきましたが。でも最終的にはセンスというよりも根性と集中力です。二人とも頑張ってくれて、練習の時はできなかったことが本番でできたり。当たり前ですが観ている人には本当に弾いているように見えないといけません。リアリティがないと格好が悪いですから。そして、やっぱりピアノよりヴァイオリンの方が難しいと思いました。ヴァイオリンなんて、普通は触らないですからね。肩がガチガチになってしまうそうで、最後は二人ともマッサージをしながら撮影に臨んでいました。二人とも、相手が上達するとお互いに悔しがっていて、良いライバル心をもって撮影に挑んでくれたと思います。

かをり(広瀬すず)が公生(山﨑賢人)を伴奏者に任命した印象的なシーンは、どこで撮影されたのですか?

 (鎌倉市南西部にある)稲村ケ崎ですね。夕日が綺麗で、江ノ島も見えて、意外と人がいないんですよ。とても綺麗で大好きな場所で、撮影の仕事もしやすそうな場所だと思っていました。

 また今回は、エキストラも多すぎて困ったくらい、たくさん来ていただきました(笑)。皆さん、冬なのに夏の格好をしていただいていたので「来てもらったからには写してあげないとかわいそうだ!」と助監督と相談して撮影をしました。

コンサートホールを4つ、撮影で使用されたそうですが、選定のこだわりは?

 撮影を始めて知ったのですが、音楽ホールは、定期的に使っている団体や高校の発表会などで、1年前位から予約が入っているんですね。僕は半年ぐらい前から探したので、関東近県で空いている場所をピックアップしていきました。撮影には3日ぐらいかかりますし、準備片づけ含めて4~5日は連続でおさえないといけないので、結構難しかったです。ラストシーンを撮影した国立音大ホールも、最初はスケジュールがとれないと言われていたのですが何とか撮影することが出来ました。

 コンサートホールは、舞台が狭いと良い画が撮れません。奥行きがないと正面から撮っても舞台側から撮ってもスペースの大きな所とのバランスが良くないと美しく撮れない、というように色々な制約があります。また、ホール自体の作りはどこも似ているので、画が似ないように気を付けて撮影したり、ラストシーンを最初に撮るわけにもいかないので撮れる曲の順番にあわせてホールを確保したりと、結構大変でしたね。

撮影中のアクシデントなどはありましたか?

 手術室のシーンですね。本当の手術室をお借りして撮影しているので「急患が入ったら撮影を中断してもらうかも」と言われていました。そしたら、クランクアップ直前の撮影で本当に急患が来てしまって。「今までそういうことはない」と周囲の人からは聞いていましたし、広瀬さんのスケジュールがもう空いていなかったので、日にちがずれると撮影ができない!と、焦りました。不可抗力なので仕方のないことなのですが、なんとか広瀬さんのスケジュールを調整してもらって撮り直して、結局手術シーンでクランクアップになりました。天気にはずっと恵まれていたので、これには翻弄されました。

作品の見どころ、読者へのメッセージをお願いします。

 10代の子たちと映画を撮るのは久しぶりだったのですが、彼らの真面目さ、真剣さが画に出ました。映画を観て「周りに関わる人とちゃんと向き合っていればちゃんと返ってくる」ということが伝わればいいな、と思っています。映画は原作の深い話を恋愛に絞ってギュッと絞っているので、映画を観た後、絶対に原作を読んでもらいたいですね。世知辛い世の中ですが、若い時にいろいろ考えることは大事です。何かに一生懸命になったり、恋したり、友達とバカをしたりすることが、かけがえのないことだというのが年をとるとわかります。4人を見て、若い人にはこれからも羨ましい青春を送ってほしいですね。映画を観て何か考えて、感じてもらえたら嬉しいです。

監督が、一緒に働きたいと思うスタッフとはどんな人ですか?

自分を持っている人。持っている世界観を共有できる人。そして、そのコンセンサスを取れる人、ですね。意見を聞かない人だと面倒だと思ってしまうので…。

あとは新しいことに気づかせてくれる人、触発してくれる人がいいですね。年齢は関係ないです。

作品情報
映画『四月は君の嘘』

(STORY)

完璧に譜面をさらうことから“ヒューマンメトロノーム”と称された天才ピアニスト・有馬公生(山﨑賢人)。ピアノの師でもある母を亡くして以来、ピアノを弾けなくなってしまった彼は、幼馴染みの澤部椿(石井杏奈)の紹介で、ヴァイオリニストの宮園かをり(広瀬すず)と出会う。友人の渡亮太(中川大志)のことを好きだと知りながらも、自由で楽しげな演奏をするかをりに惹かれていく公生。彼は、奔放でつかみどころのないかをりに振り回されながら再びピアノと向き合い始めるが、やがて彼女が抱えるある秘密を知ってしまう。

 

監督:新城毅彦 脚本:龍居由佳里 音楽:吉俣良

原作:新川直司「四月は君の嘘」(講談社「月刊少年マガジン」所載)

出演:広瀬すず、山崎賢人、石井杏奈、中川大志、

甲本雅裕、本田博太郎、板谷由夏、檀れい

9月10日(土)より全国ロードショー

©2016映画「四月は君の嘘」製作委員会 ©新川直司/講談社

 

新城毅彦(しんじょう・たけひこ)監督

1962年生まれ、東京都出身。TVドラマの演出家として「あすなろ白書」(93)や「イグアナの娘」(96)などのヒット作を手掛けたのち、06年に「ただ、君を愛してる」で映画監督デビュー。主な監督作に、「僕の初恋をキミに捧ぐ」(09)、「パラダイス・キス」(11)、「潔く柔く」(13)などがある。

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