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ホーム > 映像関係者の声 > 監督インタビュー > 海外活動を経て、再び日本へ… 黒木華を主演で人気を集める最新作!

海外活動を経て、再び日本へ… 黒木華を主演で人気を集める最新作!

2016.05.27
映画監督
岩井俊二さん
黒木華さんの演技が印象的でしたが 起用した理由は?
黒木華さんの演技が印象的でしたが 起用した理由は?

 彼女の第一印象は〝映画の匂いのする女優〞。いつか彼女で映画を作りたいなと思っていたので、今回は脚本を書いている時点から、七海は華ちゃんを想定して書いていました。

人通りの多い街中で撮影をしたのは、池袋と新宿。七海が冒頭、S NSで知り合った後の夫と待ち合わせする場所が池袋です。あそこは誰も彼女に気付かなかったと思いますよ。オーラを消していたのかな(笑)。

新宿は七海と真白(Cocco)がカラオケから帰る雑踏ですね。あそこは皆忙しいのか撮っていることを誰も気にしていませんでした。特にCoccoさんは目立つタイプの人だと思いますが、カメラには気付いても意外と被写体には目がいかないものなんですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞台は“東京”でしたが いつもと違った町に見えました

 正直、東京での撮影は大変です。地方に比べると撮影自体があまり歓迎されないし、実際にたくさんの一般の方を巻き込んでしまうものですから。でも今回は脚本段階から、漠然と東京の大田区から足を伸ばして、川崎、鶴見あたりをロケ地にイメージしていました。なんとなく湾岸っぽい空気と、あとは下町っぽい匂い。その辺りをグルグルとロケハンした記憶があります。

また、レトロでとても印象的な ホテルも登場しましたが、ロケ地はどこですか?

 “ホテル末広”は、蒲田に実在しています。こんなホテルがあるんだ!ってちょっとビックリしましたね。過去、いろんなルポルタージュを読んでみた中で、逃げてきた女性が住み込みでホテルで働いたりするっていうのは結構あるんですよ。それもトリッキーでいいかなと思ったんです。

巨大な〝真白屋敷〞は 箱根で見つかったレストラン

 翌日が定休日の日を狙い、営業が終わった夜10時から準備を始め、そこから2日間みっちり撮影させてもらいました。作品を見てもらったら分かりますが、お屋敷の中は散らかり放題という設定だったので、よくこんなことができるなと美術部のプロの技に感心しましたね(笑)。実はここのオーナーさんが映画『ゴッドファーザー』を大好きで、あの建物一式をすべてシチリア島から運んだらしいんです。僕らは〝真白屋敷〞と呼んでいたんですが、ここに行きつくまで本当にたくさんの場所を見ました。でも広さといい雰囲気といい、1軒まるまる使わせてくれる条件といい、ここに勝るものはなかった。

しかし大涌谷の噴火予報の影響で、撮影半ばで使用を断念。

 残念でしたが、他でロケハンした場所でうまく繋がりそうな場所があったので、途中部分は全くの別場所(杉並区)で撮影しています。七海と真白が裏庭で、ホースで水をかけ合うシーンも実は別の場所です。

意外な「掘り出しもの」を発見! イメージ通りの家がロケ地に

 ごく普通のお宅で人も住んでらっしゃるんです。最初はGoogleマップで見て、〝こういう感じの家がいい〞とスタッフに話したら、スタッフが直接そのお宅を訪ねてくれて。撮影に使ってもいいと快諾してくれたので、家の中を見に行ったら、まるで昭和博物館みたい! 醤油の錆びた缶が無造作に転がっていたりと、生活感が溢れ出ているのがよくて。ほぼ完成した美術でしたね(笑)。素敵なお宅に巡り合えて本当に感謝しています。

黒木華さんの演技が印象的でしたが 起用した理由は?
黒木華さんの演技が印象的でしたが 起用した理由は?

 彼女の第一印象は〝映画の匂いのする女優〞。いつか彼女で映画を作りたいなと思っていたので、今回は脚本を書いている時点から、七海は華ちゃんを想定して書いていました。

人通りの多い街中で撮影をしたのは、池袋と新宿。七海が冒頭、S NSで知り合った後の夫と待ち合わせする場所が池袋です。あそこは誰も彼女に気付かなかったと思いますよ。オーラを消していたのかな(笑)。

新宿は七海と真白(Cocco)がカラオケから帰る雑踏ですね。あそこは皆忙しいのか撮っていることを誰も気にしていませんでした。特にCoccoさんは目立つタイプの人だと思いますが、カメラには気付いても意外と被写体には目がいかないものなんですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞台は“東京”でしたが いつもと違った町に見えました

 正直、東京での撮影は大変です。地方に比べると撮影自体があまり歓迎されないし、実際にたくさんの一般の方を巻き込んでしまうものですから。でも今回は脚本段階から、漠然と東京の大田区から足を伸ばして、川崎、鶴見あたりをロケ地にイメージしていました。なんとなく湾岸っぽい空気と、あとは下町っぽい匂い。その辺りをグルグルとロケハンした記憶があります。

また、レトロでとても印象的な ホテルも登場しましたが、ロケ地はどこですか?

 “ホテル末広”は、蒲田に実在しています。こんなホテルがあるんだ!ってちょっとビックリしましたね。過去、いろんなルポルタージュを読んでみた中で、逃げてきた女性が住み込みでホテルで働いたりするっていうのは結構あるんですよ。それもトリッキーでいいかなと思ったんです。

巨大な〝真白屋敷〞は 箱根で見つかったレストラン

 翌日が定休日の日を狙い、営業が終わった夜10時から準備を始め、そこから2日間みっちり撮影させてもらいました。作品を見てもらったら分かりますが、お屋敷の中は散らかり放題という設定だったので、よくこんなことができるなと美術部のプロの技に感心しましたね(笑)。実はここのオーナーさんが映画『ゴッドファーザー』を大好きで、あの建物一式をすべてシチリア島から運んだらしいんです。僕らは〝真白屋敷〞と呼んでいたんですが、ここに行きつくまで本当にたくさんの場所を見ました。でも広さといい雰囲気といい、1軒まるまる使わせてくれる条件といい、ここに勝るものはなかった。

しかし大涌谷の噴火予報の影響で、撮影半ばで使用を断念。

 残念でしたが、他でロケハンした場所でうまく繋がりそうな場所があったので、途中部分は全くの別場所(杉並区)で撮影しています。七海と真白が裏庭で、ホースで水をかけ合うシーンも実は別の場所です。

意外な「掘り出しもの」を発見! イメージ通りの家がロケ地に

 ごく普通のお宅で人も住んでらっしゃるんです。最初はGoogleマップで見て、〝こういう感じの家がいい〞とスタッフに話したら、スタッフが直接そのお宅を訪ねてくれて。撮影に使ってもいいと快諾してくれたので、家の中を見に行ったら、まるで昭和博物館みたい! 醤油の錆びた缶が無造作に転がっていたりと、生活感が溢れ出ているのがよくて。ほぼ完成した美術でしたね(笑)。素敵なお宅に巡り合えて本当に感謝しています。

作品情報
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』

(STORY)

派遣教員の七海(黒木華)は、声の小ささを生徒達にからかわれる毎日。そんな折、SNSで知り合った鉄也(地曵豪)と

あっさり結婚することになるが、親族の少なさから、怪しい“何でも屋”の安室(綾野剛)に結婚式の代理出席のサービスを依頼する。しかし新婚早々、鉄也の浮気が発覚! だが義母(原日出子)から逆に浮気の濡れ衣を着せられ、家を追われる七海。再び安室を頼り、紹介されたバイト先で個性的な女性・真白(Cocco)と出会い意気投合。

新たなバイト先で、真白と共同生活をすることに…。

 

映画『 リップヴァンウィンクルの花嫁』

監督・脚本:岩井俊二 原作:岩井俊二

『リップヴァンウィンクルの花嫁』(文藝春秋刊)

出演:黒木華、綾野剛、Cocco、原日出子、

地曵豪、和田聰宏、金田明夫、毬谷友子、

佐生有語、夏目ナナ、りりィほか

全国公開中

©RVWフィルムパートナーズ

 

岩井俊二(いわい・しゅんじ)監督

1963年生まれ、宮城県出身。88年から映像業界で活動を始める。93年ドラマ「if もしも〜打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」を演出し、日本映画監督協会新人賞を受賞。本作は再編集され翌年劇場公開された。主な監督作に『Love Letter』(95)、『スワロウテイル』(96)、『四月物語』(98)、『リリイ・シュシュのすべて』(01)、『花とアリス』(04)、『ニューヨーク, アイラブユー』(09)、『ヴァンパイア』(12)など多数。

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