監督インタビュー

2018.05.16

バカで熱い人が好き!羽住英一郎監督インタビュー/ 爽快感あふれる迫力満点のCARレース!壁にぶち当たった時、諦めない心を教えてくれる一作(映画『OVER DRIVE』)

映画監督羽住英一郎

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  • ――今作での監督のチャレンジとは、どういうところでしょうか。

     若者の車離れが叫ばれている今、モータースポーツが題材の映画に興味を持ってもらえるのかが最大の課題でした。私自身モータースポーツが好きなので、ぜひ描きたいと思っていましたが、そうでない人にも観てもらいたい。この映画を作る際にイメージしたのは、『トップガン』です。兄弟の絆やラブストーリーの要素を入れることで、幅広い層に楽しんでいただける映画になったと思います。

    ――主演のお二人(東出昌大、新田真剣佑)をキャスティングした理由は?

     まず、主役をドライバーではなくメカニックにしました。ドライバーって、とても華がありますよね。それよりもっと地に足がついたキャラクターを出して、その傍らに華やかなドライバーがいるという構図を考えました。メカニックを中心にしたほうがドラマも間口が広いものが描けるかなと思いましたので。基本的に、メカニック役の東出君は“愚直で真面目な日本の青年”という感じで、その弟として“華”のある新田真剣佑君がぴったりとハマって。真剣佑君自身の育ちもそうですが、日本人離れしたスケール感があるので、二人が並ぶと凄く良いバランスだと思いました。

  • ――実際に演出されてみてお二人はいかがでしたか?

     とても良かったです。僕は、役のためになんでも吸収していく姿勢がある貪欲な人を尊敬の念を込めて“バカ”と表現しているのですが、二人とも私が大好きな役者バカで(笑)

     東出君は撮影1か月以上前からメカニックの勉強をし、リアルに車の整備をできるようになっていました。

     真剣佑君は、ドライバーには細マッチョが多いと伝えてモデル写真を見せたら、想像を超える肉体に仕上げてきて驚きました。

    ――激しい車走行シーンはCGを使われたと思いますが、実際に車を走らせた場所はありますか?

     北九州ラウンドのラリーシーンでは門司港駅周辺を封鎖して、地元のボランティアエキストラさんにギャラリーとしてご参加いただきました。ラリーカー通常の制限速度を超えて走るので、万が一コースアウトをした時の事を考えて人の配置を決めるなど、細心の注意を払いながらの撮影でした。

     他にも、北九州ラウンドの設定で長崎県で撮影したり、富士ラウンドの設定で山口県の秋芳台でも走っていますね。ラリーカーは本当に速くて、それを捉えるためにドローンを使っているのですが、ドローンも時速90キロ位しかないので車に置いていかれてしまってなかなか大変でした。

  • ――主人公の檜山兄弟が小さい頃にレースをした場所はどこですか?

     東伊豆です。あの場所は、制作部が頑張ってロケハンしてくれました。東伊豆は東京からは凄く遠いので、ロケハンの為に動ける日数が制限されている中、遠くまで見にいくというのは、決め打ちでなければできません。ロケハンの前に何度か写真を見せてもらってやりとりはしていましたが、現地に立ってすぐに「ここだ!」と思いました。

    ――マレーシアのホテルは凄く素敵で印象的でしたが、どちらで撮影されたのですか?

     実は、福岡にある結婚式場を、マレーシアのホテルの設定で撮影しました。プールがあることを条件に探してもらいました。夕陽が綺麗で、結婚式場というのは平日空いている事もあるのでロケ地として使い手がありますね。

  • ――監督は北九州で撮影をされることが多く、文化大使も務めていらっしゃいますね。今作も北九州でロケをされていますが、強力なタッグを組めている理由はありますか?

    (北九州市は)相変わらず、ボランティアで参加してくれる地元の人が“熱い”です。映画作りを楽しんでくれているな、と凄く感じます。僕なりの持論ですが、北九州の人はお祭り好きが多いのだと思います。夏祭りの季節に市内ではおじさんが子供にお囃子を教えている姿も見れますが、映画も祭りのようなものなので、楽しんで参加してくれているんだと思います。

     また、北九州は企業の協力体制が凄いです。今作では、ゼンリン、TOTO、井筒屋など、実在のスポンサー名が作中に出てきますが、あれは皆さんが快くOKをくださったので実現出来ました。メジャーな企業は、地元色も出るからかと思いますが、なかなかフィクションの中に自社の名前を貸してはくれません。北九州では、そういうジャッジが早いですね。

    ――地方ロケのメリットとは何ですか?

     地方に行くと、映画の世界にどっぷりはまれて集中できるのが良いですね。今回は北九州で一番長くロケをしました。北九州は景色も人も良いのですが、東京からのアクセスが良いのも利点です。前日まで都内で仕事をしているキャストに飛んできてもらっても10時30分にはメイク済みでキャメラの前にいたり、北九州で夜中まで撮っていても翌朝5時の飛行機に乗れば7時には東京に帰すことができるので、大変助かります。キャストは、空き時間で一緒にジムへ行ったり、焼肉屋さんへ行ったりしていましたよ。

  • ――羽住監督がスタッフに求める素質は何ですか?

     一言でいうなら「バカな人」ですね。羽住組スタッフは自然とそういう方が集まってきます。こちらも、そういうスタッフが気になるから声をかけるというか。そもそも映画って、撮影を受け入れる方からすると協力するとトラブルがあったりするから、受け入れない方が楽じゃないですか。でも、リスクを承知でも場所や人を貸してくれるのは、どこかバカになれる“損得勘定がない人”たちだと思います。そういう人たちが集まらないと映画はできません。最近は特にリスクを避ける世の中ですが、そういう人たちがまだいるのだな、と思います。

    ――ありがとうございました。
INFORMATION

映画『OVER DRIVE』

(STORY)

世界最高峰ラリー競技“WRC(世界ラリー選手権)”出場を目指し、国内のトップレーシングチームがしのぎを削る“SCRS(セイコーカップラリーシリーズ)。コンマ1秒を競う戦いが繰り広げられる中、WRCへのステップアップを目指すスピカ所属の天才ドライバー・直純(新田真剣佑)は、マジメなメカニック担当の兄・篤洋(東出昌大)の助言を無視し、リスクを顧みないレースを展開していく。そして、そんな二人の関係性に起因し、チーム内にも険悪なムードが漂い始める。

 

監督:羽住英一郎 脚本:桑村さや香

出演:東出昌大、新田真剣佑、森川葵、北村匠海、町田啓太、要潤、吉田鋼太郎 ほか

6月1日(金)全国ロードショー

(C)2018「OVER DRIVE」製作委員会

 

羽住英一郎(はすみ・えいいちろう)監督

1967年生まれ、千葉県出身。ROBOT所属。

2004年『海猿 ウミザル』で劇場映画監督デビュー。『海猿 EVOLUTION』(05年/CX)、『LIMIT OF LOVE 海猿』(06年)、『THE LAST MESSAGE 海猿』(10年)、『BRAVE HEARTS 海猿』(12年)の海猿シリーズをはじめ、『暗殺教室』(15年)『暗殺教室〜卒業編〜』(16年)など大ヒットを作を次々と手掛ける。「ダブルフェイス」(12年/TBS・WOWOW)では東京ドラマアワード2013単発ドラマ部門グランプリを獲得。TVドラマ『MOZU』シリーズ(14・15年/TBS・WOWOW)、『劇場版MOZU』(15年)も話題に。

その他の作品に、『逆境ナイン』(05年)、『銀色のシーズン』(08年)、『おっぱいバレー』(09年)、『ワイルド7』(11年)など。

 

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